2016年11月11日

第1回新奥杯世界囲碁オープン戦、第三回戦ハイライト(全8局分)

第1回新奥杯世界囲碁オープン戦の3回戦目が行われました。
日本勢で唯一勝ち進んだ伊田篤史八段でしたが、柯潔九段に逆転を許し敗退となりました。
次回はもっと良い結果を残せるよう、頑張ってほしいですね。
さて、本日行われた対局を見ていきます。

囲碁644.jpeg
【柯潔九段(黒)vs伊田篤史八段】
白1、3の出切りを決めてから、白5と出るのが好手順でした。
黒は無理矢理取りにいくのは得策でないので、黒6と右下の白を制すくらいです。
白7まで、中央の白がシノげたので、白優勢を築くことに成功しています。
しかし、終盤で白のやり過ぎがあり、黒の逆転を許してしまいます。
結果、黒中押し勝ち。
続きを読む
posted by okao at 00:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 棋戦情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月09日

第1回新奥杯世界囲碁オープン戦、第二回戦ハイライト(全16局分)

第1回新奥杯世界囲碁オープン戦の32強戦が行われました。
日本の伊田篤史八段は陳賢六段に中押し勝ちし、16強に勝ち進みました!
この機会に、日本の存在感を世界に示してほしいですね。
さて、今日行われた対局を振り返っていきます。

囲碁628.jpeg
【伊田篤史八段(黒)vs陳賢六段】
黒1は左辺と下辺の白を分断する好手でした。
白2に黒3から9と押して全体的に黒厚い局面となり、黒優勢となっています。
白10で全ての白を守られたように見えますが、黒19と上辺を広げる好点に回れれば黒十分です。
結果、黒中押し勝ち。
続きを読む
posted by okao at 00:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 棋戦情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月08日

第64期王座戦挑戦手合五番勝負第2局

第64期王座戦挑戦手合五番勝負第2局が本日行われました。
先日、井山王座は六冠に後退し、気落ちしているのではと思いましたが無用の心配でした。
余正麒七段の鋭い仕掛けで形勢不明になるも、井山王座の力強い収束で二勝目を上げました。
碁の内容を見ている限り、思い切った手を名人戦の時以上に打てているように感じます。
さて、本局を振り返っていきます。

囲碁620.jpeg
【実戦図1:現代的な戦術】
黒番は井山王座、白番は余正麒七段です。
序盤早々、黒1のシマリに白2とツケていくのが現代的な手法。
形を決めて悪いように感じますが、小目シマリを凝り形にして足早な展開にするのが狙いです。
黒AやBの受けは白の意図する進行に導かれるため、黒3と反発して白の構想を崩しました。
左下を補強しながら右下にプレッシャーをかける手で、見た目以上に対応が難しいです。
続きを読む
posted by okao at 00:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 棋戦情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月07日

第1回新奥杯世界囲碁オープン戦、第一回戦ハイライト(全32局分)

第1回新奥杯世界囲碁オープン戦が開幕しました。
近年、国際戦が次々と企画されており、国境を越えた対局が急速に増えています。
出場する日本棋士は伊田篤史八段、本木克弥七段、富士田明彦五段、結城聡九段です。
伊田八段は見事半目勝利し、32強戦に駒を進めました。(次の相手は陳賢五段)
日本は国際戦で遅れを取っているので頑張ってほしいですね。
さて、今日行われた対局を序盤主体に見ていきます。

囲碁588.jpeg
【柯潔九段(黒)vs安国鉉五段】
白1のコスミツケに受けず、黒2と右上の白に迫る実戦例が非常に増えています。
白3には黒6、8と白の根拠を奪いながら右辺を補強できるのが、この形の利点です。
白Aと補強するくらいですが、黒Bと上辺を調子が広げられるので、私は黒良しに感じます。
結果、黒中押し勝ち。

続きを読む
posted by okao at 01:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 棋戦情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月03日

第41期名人戦七番勝負第7局二日目

第41期名人戦七番勝負第7局二日目が行われました。
初日、優勢を築いた高尾九段が白2目半勝ちを収め、10年ぶりに名人復位しました。
7冠維持した日数は204日でストップし、井山九段は6冠に後退します。
これから、王座と天元戦があるので気持ちを切り替えて頑張ってほしいですね。
さて、本局を振り返っていきましょう。

囲碁551.jpeg
【実戦図1:アルファ碁布石】
黒番は井山名人、白番は高尾九段です。
白1のノゾキを決める実戦例は最近見ませんが、白3から9までの流れはよく打たれます。
アルファ碁が用いた戦術は非常に優秀であると認められたからだと思います。
善悪はまだ結論出ていないようですが、私は白打ちやすいと考えてます。
続きを読む
posted by okao at 21:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 棋戦情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第21回三星火災杯世界マスターズ観戦記(8)

昨日、第21回三星火災杯世界マスターズの準決勝三番勝負第3局が行われました。
柯潔九段と柁嘉熹九段が勝利し、12月6日から始まる決勝戦への切符を手にした。
今回は柁嘉熹九段vs范蘊若五段で珍しい戦術、変化が用いられていたので、
こちらを重点的に解説していきたいと思います。
さて、2局を振り返っていきます。

囲碁536.jpeg
【柁嘉熹九段(黒)vs范蘊若五段】
黒1、3と低く構えるのは珍しいです。
配石が低位置なのでバランスは良くないですが、下辺の打ち込みに強く戦える利点があります。
最近の碁は見た目の感覚よりも数十手先を見越した手を打たれることが多いです。
(過去にこの布石を解説した記事があるので、そちらも参照ください。)
続きを読む
posted by okao at 14:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 棋戦情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月02日

第41期名人戦七番勝負第7局初日

第41期名人戦七番勝負は、開幕3連勝した高尾九段が後一歩のところまで追いつめるも、
第四局目以降、手厚い打ち回しに切り替えた井山名人が3連勝し、第七局まで進みました。
流れは井山名人にあると思えた最終局ですが、白番の高尾九段が若干良いようです。
さて、封じ手の局面を振り返っていきます。

囲碁528.jpeg
【封じ手局面:白若干良しの形勢】
黒は井山名人、白は高尾九段です。
形勢は白良しなので、黒のツケに対してうまく対処すれば勝ちが見えてきます。
白Aとハネる一手に見えますが、傷を残したくないのであれば白Bとノビるのも考えられそうです。
続きを読む
posted by okao at 08:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 棋戦情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第21回三星火災杯世界マスターズ観戦記(7)

本日、第21回三星火災杯世界マスターズの準決勝第2局が行われました。
昨日の敗者である李世乭九段と范蘊若五段が勝利し、明日の第3戦に望みを繋げました。
今回行われた2局はそれぞれアルファ碁が用いた布石を採用しており、18手目まで全く同じです。
研究や経験のある序盤戦に導いて、持時間を節約するのが目的でしょうね。
勝敗を左右する大半は中盤戦の優劣ですから当然の対応です。
さて、本日の対局を振り返ります。

囲碁513.jpeg
【李世乭九段(黒)vs柯潔九段】
白1から5を決めてから白7とツケるのが大流行している布石の一つです。
黒から様々な手段が考えられますが、多くの場合は黒8から12と受けることが多いです。
このワカレは白悪くないと見る方が多いようですが、黒の確定地も多いのでいい勝負でしょうか。
続きを読む
posted by okao at 00:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 棋戦情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月01日

第21回三星火災杯世界マスターズ観戦記(6)

第21回三星火災杯世界マスターズの準決勝三番勝負が始まります。
組み合わせは柯潔九段vs李世乭九段、柁嘉熹九段vs范蘊若五段となり、
第一戦目は柯潔九段と柁嘉熹九段が勝利し、決勝戦進出に王手をかけました。
中国ランキング上位層の強さは未だ健在というところでしょうか。
さて、本日の対局を振り返っていきます。

囲碁499.jpeg
【柯潔九段(黒)vs李世乭九段】
黒2のツケに白3から9とナダレを選択するのは流行形の一つです。
黒に地を与えますが、下辺の白陣も広いので互角に近いワカレと言えるでしょう。
ただし、最近この変化を選択する棋士が減ってきているように感じます。続きを読む
posted by okao at 01:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 棋戦情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月28日

第41期名人戦七番勝負第6局二日目

第41期名人戦七番勝負第6局は井山名人が中盤で圧倒し盤石の勝利となりました。
高尾九段は局が進むにつれて内容が悪化しているように感じます。
それだけ、井山名人の壁は分厚いということでしょうか。
さて、本局を振り返っていきます。

囲碁450.jpeg
【実戦図1:面白い趣向】
黒は井山名人、白は高尾九段です。
白1から5はよくある手法だが、黒6と大場に走ったのが斬新な発想でした。
普通は黒6ではAやBを決めて打つものですが、白も手抜きを咎めるのが難しいです。
今後、この手法が流行するかもしれませんね。

続きを読む
posted by okao at 00:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 棋戦情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月27日

第41期名人戦七番勝負第6局初日

第41期名人戦七番勝負第6局が本日から始まりました。
カド番に追い込まれた井山名人が逆転4連勝を目指し、現在2連勝中です。
後一歩というところで力が発揮仕切れない高尾九段が本局で決められるかが見どころです。
さて、封じ手直前の局面を見ていきます。

囲碁445.jpeg
【封じ手局面:黒若干優勢】
黒番は井山名人、白番は高尾九段です。
白が左下に回って左辺との連絡を取った局面ですが、形勢は黒若干良いようです。
封じ手予想はA~Cを上げられますが、おそらくAが本命でしょうね。
一番損になりにくい手ですし、左上にプレッシャーをかけられるのが魅力的です。
続きを読む
posted by okao at 00:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 棋戦情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月22日

第42期天元戦挑戦者手合五番勝負第一局

今日から第42期天元戦挑戦者手合五番勝負第一局が始まりました。
全冠防衛が見えてきた井山天元の勢いを誰が止めるかが注目です。
天元戦挑戦者の一力遼七段は国内外問わず活躍しており、天元奪取も期待されています。
本局は井山天元の持ち味が発揮され、一方的な碁になりましたが次局も頑張ってほしいですね。
さて、第一局を振り返っていきましょう。

囲碁399.jpeg
【実戦図1:面白い新手法】
黒番は井山天元、白番は一力七段です。
白1のハサミに黒2とハサミツケたのが面白い手法でした。
普通は白3、5で白悪くないですが、白1との幅が狭いので固めても構わないという発想です。
確かに、左辺を固めた損よりも下辺の広がりの方が勝りそうなので、黒良しに見えます。
黒AやBが利いているので見た目以上に黒厚い碁形となっています。
続きを読む
posted by okao at 00:57| Comment(3) | TrackBack(0) | 棋戦情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月17日

第64期王座戦挑戦手合五番勝負第1局

第64期王座戦挑戦手合五番勝負第1局が本日から始まりました。
本局は黒番の余正麒七段が中盤で優勢を築き、そのままゴールすると思われた矢先、
井山王座の勝負手に黒の手が途端に固くなり、次々とヨセられてあっと言う間に引き離されてしまう。
終盤に盛り返されたこともあり、形勢を取り戻すことができず、井山王座の逆転勝ちとなりました。
名人戦に続き、王座戦も好スタートを切れた井山王座、全冠防衛への道が徐々に見えてきました。
さて、本日の対局を振り返っていきましょう。

囲碁361.jpeg
【実戦図1:井山王座が多用する布石】
黒番は余正麒七段、白番は井山王座です。
最近の井山王座の対局を見ていると、白番では白2、4と構えることがほとんどのように感じます。
おそらく、深い研究による結論か、または避けたい布石が存在するかのいずれかでしょうが、
こればかりは本人に直接聞いて見ないとわかりません。
続きを読む
posted by okao at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 棋戦情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月13日

第41期名人戦七番勝負第5局二日目

第5局目は井山名人が明るい発想で優勢を築き、白3目半勝ちを収めました。
今シリーズ後半で流れを掴んだ戦果が大きく、高尾九段のアドバンテージはほぼ吹き飛んでいます。
一時は碁の内容でも圧倒していた高尾九段でしたが、途端に調子を乱れている印象を受けました。

ただし、名人戦勝ったことにより井山名人はこれから茨の道に踏み入れることになります。
17日は王座戦、21日には天元戦が始まり、3つのタイトル戦を同時に防衛しなければならず、
井山名人の勢いを第6局に持っていくのは非常に困難かと思われます。
高尾九段はこの期間で調子を取り戻せるかが勝負の要となるでしょう。
さて、本局のハイライトを振り返っていきます。

囲碁316.jpeg
【実戦図1:小目シマリへのツケ】
黒番は高尾九段、白番は井山名人です。
一間シマリに対しても白1のツケを打たれるようになってきました。
昔は序盤早々に厚い形を許して良くないとされた手法ですが、最近はむしろ推奨されています。
白5となれば白も立派な構えになるので、十分打てる局面と言えるでしょう。

続きを読む
posted by okao at 20:15| Comment(2) | TrackBack(0) | 棋戦情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月12日

第41期名人戦七番勝負第5局初日

第41期名人戦七番勝負第5局が始まりました。
カド番に追い込まれた井山名人でしたが、第4局に勝利し逆転の4連勝に望みを繋げました。
第5局の結果と内容次第では井山名人に流れを掴まれるので、高尾九段も負けられません。
いわば、天王山の一局となり得る一戦です。
さて、封じ手直前の局面を振り返っていきます。

囲碁305.jpeg
【封じ手局面:左辺の攻防は白に軍配】
黒番は高尾九段、白番は井山名人です。
左辺の攻防で白は整形することに成功し、形勢は白に傾いています。
黒の封じ手はAかBのどちらかですが、黒の劣勢はまだ続きそうです。

続きを読む
posted by okao at 18:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 棋戦情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする