2016年10月22日

第42期天元戦挑戦者手合五番勝負第一局

今日から第42期天元戦挑戦者手合五番勝負第一局が始まりました。
全冠防衛が見えてきた井山天元の勢いを誰が止めるかが注目です。
天元戦挑戦者の一力遼七段は国内外問わず活躍しており、天元奪取も期待されています。
本局は井山天元の持ち味が発揮され、一方的な碁になりましたが次局も頑張ってほしいですね。
さて、第一局を振り返っていきましょう。

囲碁399.jpeg
【実戦図1:面白い新手法】
黒番は井山天元、白番は一力七段です。
白1のハサミに黒2とハサミツケたのが面白い手法でした。
普通は白3、5で白悪くないですが、白1との幅が狭いので固めても構わないという発想です。
確かに、左辺を固めた損よりも下辺の広がりの方が勝りそうなので、黒良しに見えます。
黒AやBが利いているので見た目以上に黒厚い碁形となっています。
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2016年10月17日

第64期王座戦挑戦手合五番勝負第1局

第64期王座戦挑戦手合五番勝負第1局が本日から始まりました。
本局は黒番の余正麒七段が中盤で優勢を築き、そのままゴールすると思われた矢先、
井山王座の勝負手に黒の手が途端に固くなり、次々とヨセられてあっと言う間に引き離されてしまう。
終盤に盛り返されたこともあり、形勢を取り戻すことができず、井山王座の逆転勝ちとなりました。
名人戦に続き、王座戦も好スタートを切れた井山王座、全冠防衛への道が徐々に見えてきました。
さて、本日の対局を振り返っていきましょう。

囲碁361.jpeg
【実戦図1:井山王座が多用する布石】
黒番は余正麒七段、白番は井山王座です。
最近の井山王座の対局を見ていると、白番では白2、4と構えることがほとんどのように感じます。
おそらく、深い研究による結論か、または避けたい布石が存在するかのいずれかでしょうが、
こればかりは本人に直接聞いて見ないとわかりません。
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2016年10月13日

第41期名人戦七番勝負第5局二日目

第5局目は井山名人が明るい発想で優勢を築き、白3目半勝ちを収めました。
今シリーズ後半で流れを掴んだ戦果が大きく、高尾九段のアドバンテージはほぼ吹き飛んでいます。
一時は碁の内容でも圧倒していた高尾九段でしたが、途端に調子を乱れている印象を受けました。

ただし、名人戦勝ったことにより井山名人はこれから茨の道に踏み入れることになります。
17日は王座戦、21日には天元戦が始まり、3つのタイトル戦を同時に防衛しなければならず、
井山名人の勢いを第6局に持っていくのは非常に困難かと思われます。
高尾九段はこの期間で調子を取り戻せるかが勝負の要となるでしょう。
さて、本局のハイライトを振り返っていきます。

囲碁316.jpeg
【実戦図1:小目シマリへのツケ】
黒番は高尾九段、白番は井山名人です。
一間シマリに対しても白1のツケを打たれるようになってきました。
昔は序盤早々に厚い形を許して良くないとされた手法ですが、最近はむしろ推奨されています。
白5となれば白も立派な構えになるので、十分打てる局面と言えるでしょう。

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2016年10月12日

第41期名人戦七番勝負第5局初日

第41期名人戦七番勝負第5局が始まりました。
カド番に追い込まれた井山名人でしたが、第4局に勝利し逆転の4連勝に望みを繋げました。
第5局の結果と内容次第では井山名人に流れを掴まれるので、高尾九段も負けられません。
いわば、天王山の一局となり得る一戦です。
さて、封じ手直前の局面を振り返っていきます。

囲碁305.jpeg
【封じ手局面:左辺の攻防は白に軍配】
黒番は高尾九段、白番は井山名人です。
左辺の攻防で白は整形することに成功し、形勢は白に傾いています。
黒の封じ手はAかBのどちらかですが、黒の劣勢はまだ続きそうです。

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2016年10月06日

第21回三星火災杯世界マスターズ観戦記(5)

第21回三星火災杯世界マスターズの準々決勝が行われました。
勝ち進んだのは柯潔九段、柁嘉熹九段、李世乭九段、范蘊若五段です。
范蘊若五段は今まであまり目立った活躍が見られませんでしたが、本棋戦で株が上がっています。
この結果が自信に変わり、これからの棋戦で活躍するかもしれません。
準決勝3番勝負の組み合わせは柯潔九段vs李世乭九段、柁嘉熹九段vs范蘊若五段となります。
さて、本日行われた対局を振り返ります。

囲碁203.jpeg
【范蘊若五段(黒)vs朴廷桓九段】
最近、白1のカカリから白3とハサミ返す変化が非常に増えてきています。
黒4と連絡を裂いてくるなら白5のカカリに転身して打てると踏んでいるようです。
小林流を愛用している方は実戦でもよく現れると思うので対策が必要でしょう。
なお、黒4ではAと打つ実戦例も多いです。

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2016年10月05日

第41期名人戦七番勝負第4局二日目

二日目は難解な攻防戦が続きましたが、井山名人がうまく打ちまわして勝利をつかみました。
逆転の4連勝まで駒を進めることができるか、今後の名人戦の模様が見逃せません。
なお、今後の主なスケジュールは以下のようになっています。

10月12~13日:名人戦第5局
10月17日:王座戦第1局
10月21日:天元戦第1局
10月26~27日:名人戦第6局
11月2~3日:名人戦第7局
11月7日:王座戦第2局
11月11日:天元戦第2局
11月18日:王座戦第3局
12月1日:天元戦第3局
12月8日:王座戦第4局
12月12日:天元戦第4局
12月15日:王座戦第5局
12月20日:天元戦第5局


見ての通り、10~11月は約4日に1回はタイトル戦を行うことになります。
技術以前に体力や精神的にも厳しいことが予想されますが、井山7冠なら乗り切れるでしょう。
では第4局を大雑把に振り返ります。

囲碁197.jpeg
【実戦図1:ミニ中国流の流行系】
黒番の井山名人が選んだのはミニ中国流の流行系でした。
黒1とツメた後に黒3とケイマで右辺の白に働きかけて下辺を広げるのが特徴的です。
白番の高尾九段も白5を決めてから白7と下辺を消す最新の手法を用いています。
今では定石のように定型化された布石の一つです。

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2016年10月04日

第21回三星火災杯世界マスターズ観戦記(4)

本日、第21回三星火災杯世界マスターズの16強戦が行われました。
出場者と結果は以下のようになります。(左が勝者)
李世乭九段―童夢成五段
柯潔九段 ―李東勲八段
周睿羊九段―卞相壹五段
唐韋星九段―范廷鈺九段
范蘊若五段―申真諝六段
檀嘯七段 ―姜昇旼五段
柁嘉熹九段―姜東潤九段
朴廷桓九段―兪斌九段


観戦していて感じたのは、序盤の手の速さですね。
昼頃になると全ての対局が中盤戦の勝負所を迎えていました。
序盤を徹底的に研究して、後半戦に時間を残すことを重視しているようです。
技術、持時間の面を考えると布石研究をすることは必須であると感じました。
さて、本日の対局を振り返っていきます。

囲碁187.jpeg
【李東勲八段(黒)vs柯潔九段】
白1のカカリに黒2とツケた瞬間、白3とカケたのが面白い発想です。
打たれて見るとわかりますが、中々思いつかない考え方ですね。
さて実戦は黒Aと反発しましたが、なぜ黒Bと受けられなかったが検証していきます。
結果、白中押し勝ち。

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第41期名人戦七番勝負第4局初日

運命の第41期名人戦七番勝負第4局が始まりました。
高尾九段が幸先の良い三連勝をして井山名人がカド番に追い込んでいます。
勢いのある高尾九段がこのまま奪取するか、井山名人が維持を見せるか注目です。
なお、明日井山名人が失冠すると七冠維持の日数が162日となります。

封じ手直前の局面は黒傷だらけで収拾つかないように見えましたが、
白は対応を間違えると一瞬で悪化しそうです。
一局の命運を左右する攻防戦がどう決着するかが、明日の見所ですね。
では、封じ手の局面を見ていきます。

囲碁175.jpeg
【封じ手局面:難解な攻防戦】
黒番は井山名人、白番は高尾九段です。
黒は左辺を守らずにコスミツケで頑張った局面となっています。
薄さを狙って白Aと出てみたくなりますが、井山名人の術中な気がして怖いですね。
手厚さを重視するならBやCが候補ですが、ややアマイ感じがします。
それぞれの手を検証していきます。

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2016年09月30日

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦 第4戦目

第1ラウンド最終戦である第4戦目。
日本は張栩九段を出陣させるも、范廷鈺九段の分厚い壁に阻まれる結果となりました。
これで中国は無傷の3連勝で第2ラウンドに駒を進めます。
現在の戦況は以下の通りになっています。
中国:柯潔九段、柁嘉熹九段、范廷鈺九段、連笑七段、范蘊若五段
韓国:朴廷桓九段、姜東潤九段、金志錫九段
日本:井山裕太九段、河野臨九段、村川大介八段


日本が厳しい立ち位置となりましたが、第2ラウンドでの巻き返しを期待します。
では本日の対局を振り返っていきましょう。

囲碁122.jpeg
【実戦図1:面白いタイミングの利かし】
白1で苦しいと思われた上辺の黒一団でしたが、黒2のノゾキが好手でした。
白はAかBの二択だが、黒は相手に合わせて整形できるのが自慢です。
張栩九段らしい切れ味鋭い様子見でした。

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2016年09月29日

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦 第3戦目

今日は韓国の新鋭である李東勲八段が中国の范廷鈺九段に挑みました。
しかし、プレッシャーなのか李東勲は本来の力を発揮できずに敗退。
韓国は第1ラウンドで一勝も上げられず、第2ラウンドに進むことになりました。
第4戦目は日本の張栩九段が出陣します。
中国の勢いを止めて第1ラウンドの幕引きをしたいところです。
さて、本日の対局を振り返ります。

囲碁112.jpeg
【実戦図1:黒疑問の布石戦】
黒番は李東勲八段、白番は范廷鈺九段です。
黒1から9は定石の一つではあるが、白10に回られて白打ちやすいように感じます。
白への寄り付きが期待できないため、黒は明瞭な打ち方がありません。
左下の△の活用も難しく、黒作戦負けな気がします。

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2016年09月28日

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦 第2戦目

2戦目は日本の一力遼七段vs中国の范廷鈺九段です。
今日勝利できればかなりのアドバンテージを稼ぐことができましたが、
中国の壁が厚く、無念の敗退となりました。
しかし、李世乭九段を破った戦果は大きく、十分な働きを見せてくれました。
国内戦では天元の挑戦手合が控えているのでぜひ頑張ってほしいですね。
では、本日の対局を振り返っていきます。

囲碁099.jpeg
【実戦図1:珍しい手法】
黒番は一力遼七段、白番は范廷鈺九段。
白1から5まではよくある進行だが、黒6に白7とスベったのが珍しい変化。
普通は白Aなどと守りますが、打たれてみるとこれもありそうですね。
なぜなら、右下の白は見た目以上に粘りの利く形なので、しばらく放置してもサバけるからです。

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2016年09月27日

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦 第1戦目

今日から「第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦」が始まりました。
各国の団体戦メンバーの一覧を紹介します。
日本:井山裕太九段、張栩九段、河野臨九段、村川大介八段、一力遼七段
中国:柯潔九段、柁嘉熹九段、范廷鈺九段、連笑七段、范蘊若五段
韓国:朴廷桓九段、李世乭九段、姜東潤九段、金志錫九段、李東勲八段

前回よりも中国韓国の層が厚くなっており、日本がどこまで食いつけるかが注目です。

初戦は一力遼七段vs李世乭九段となりました。
勝つのは厳しいと思われた一戦でしたが、下馬評を覆して一力七段が半目勝ちしました!
世界も一力七段を見る目ががらりと変わったはずです。
明日の二戦目はなんと范廷鈺九段が出場します。
世界戦優勝経験者の好カードをここで切るあたり、本気で日本の勢いを潰す気でしょう。
しかし、前回開幕三連勝をした実績のある一力七段ならきっと乗り切ってくれるはずです。
では、本日の対局を振り返っていきます。

囲碁081.jpeg
【実戦図1:アルファ碁戦の再現】
黒が李世乭九段、白が一力遼七段です。
白1のマゲに黒2とカドに迫ったのは厳しい発想です。
右下の白を厳しく攻めながら、右上の白を睨んでいこうという作戦です。
しかし、この形はアルファ碁vs李世乭戦で出現した形で、研究され尽くしたものでした。

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2016年09月25日

2016ジャステック杯国際新鋭囲碁対抗戦3日目

最終日は2位から4位の順位に大きな影響を与える大事な一戦となりました。
日本は中国に4-4で引き分け、全勝優勝を阻止しました!
世界に日本の実力を示した結果になったかと思います。
順位と成績は以下の通りです。
1位:中国(2勝0敗1分)-勝ち星7、全体成績17勝7敗
2位:韓国(1勝1敗1分)-勝ち星4、全体成績12勝12敗
3位:日本(0勝0敗3分)-勝ち星3、全体成績12勝12敗
4位:台湾(0勝2敗1分)-勝ち星1、全体成績7勝17敗


世界の新鋭棋士とも互角に渡り合えた成果は大きいと思います。
日本も少しずつ存在感を示せてきています。
では、最終日の対局を振り返っていきましょう。

囲碁069.jpeg
【童夢成五段(黒)vs余正麒七段】
白1と思い切って中央に模様を築いたのは良い構想でした。
気分は良いですが、黒から様々な戦術で模様の決壊を狙ってくるため、
高い読みの力と形勢判断能力が要求されます。
しかし、余さんにとってこういった力勝負は望むところでしょう。
結果、白中押し勝ち。

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2016年09月24日

2016ジャステック杯国際新鋭囲碁対抗戦2日目

大会二日目、中華台北戦で日本が勝てば優勝の目が出る大事な一戦でしたが、
4-4でまたも引き分けで勝ち点1となりました。
現段階での各国の勝ち点をまとめると以下にようになります。
中国(2勝0敗0分)-勝ち点6
日本(0勝0敗2分)-勝ち点2
韓国(0勝1敗1分)-勝ち点1
台湾(0勝1敗1分)-勝ち点1


中国は仮に日本戦で負けても1点差をリードできるため、三日目を待たずに優勝が決定しました!
中国の若手層は非常に優秀だということを証明した形となりましたね。
日本は中国に勝てば2位が確定し、引き分け以下は韓国vs台湾戦の結果を待つことになります。
では、本日の日本戦を振り返っていきましょう。

囲碁061.jpeg
【芝野虎丸二段(黒)vs楊博崴五段】
芝野さんは黒1のシマリを時々用いるように感じます。
ある手だと思いますが、あまり見ないので目新しく見えますね。
白2には黒3のカカリを決めて、右下の定石の変化に備えています。
(シチョウの攻防になった時にカカリ一本が活きてきます。)
結果、黒中押し勝ち。

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2016年09月23日

2016ジャステック杯国際新鋭囲碁対抗戦1日目

「2016ジャステック杯国際新鋭囲碁対抗戦」が今日から始まりました。
日本、韓国、中国、中華台北の4カ国でリーグ戦を行います。
1チーム8人で5勝以上が3点、4勝は1点、3勝以下は0点という勝ち点方式。
持ち時間は2時間、1分の秒読み5回です。

初日の日本vs韓国戦ですが・・・
4-4で引き分けとなりました!
ここ数年では考えられなかった成績で快調な出だしです。

明日の中華台北戦を勝利して最終戦の中国戦に臨みを繋げたいところです。
さて、今日の日本戦を振り返ります。

囲碁053.jpeg
【余正麒七段(黒)vs宋知勲二段】
黒1のツケが面白い手でした。
これは黒Aの抜きに白が受けた時、黒Bとコウで弾いて戦うことを見越したコウ材作りです。
善悪はわかりませんが、右上の定石を研究する上で参考になる対局でした。
結果、黒中押し勝ち。

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