2017年01月14日

第41期棋聖戦七番勝負第1局初日

本日、第41期棋聖戦七番勝負第1局が行われました。
挑戦者の河野臨九段は切れ味鋭い読みと正確な形勢判断を持ち味としています。
一方、井山棋聖は剛腕であると同時に、斬新な手を打つことが多いように感じます。
両者の強みがぶつかった時、どういった碁になるか楽しみですね。

【初日の概要】
序盤から河野臨九段がMasterの手法を用いるなど、意欲的な出だしで始まる。
双方、自由奔放に打つ様は碁の可能性へ挑戦しているように見えました。
本局は井山棋聖の強打がどこまで活きるかが、勝敗の分かれ道となりそうだ。
さて、封じ手直前の局面を振り返っていきます。

囲碁1124.jpeg
【封じ手局面:右辺の競り合い】
黒番は井山棋聖、白番は河野臨九段です。
黒1の強打に白2と手厚く応じて封じ手となりました。
中央の黒石が孤立した格好となり、どう活かしていくかが勝負所となります。
A~Cが封じ手の候補ですが、いずれも黒難しい戦いを強いられるように見えます。
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2016年12月23日

第11回春蘭杯世界囲碁選手権準決勝

本日、第11回春蘭杯世界囲碁選手権準決勝が行われました。
まず注目の集まったカードは、朴永訓九段vs柯潔九段です。
序盤から中盤にかけて朴永訓九段は息の長い碁を目指し、手厚く打ち回すことを選択します。
柯潔九段は鋭い読みを用いて追及するも、軽やかにかわされ形勢を損じて投了となりました。


もう一方の山は辜梓豪四段vs檀嘯七段です。
中盤始めは檀嘯七段の技ありとなり、辜梓豪四段は苦しい展開を強いられます。
後半戦で鬼気迫る打ち回しで追い上げるが、檀嘯七段は冷静な収束でつけ入る隙を与えなかった。

来年6月に行われる決勝3番勝負は朴永訓九段vs檀嘯七段となり、今年の世界戦に終止符を打った。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁939.jpeg
【柯潔九段(黒)vs朴永訓九段】
序盤早々、黒1と打ち込むのは最近の流行です。
対抗策として白2とツケるのもよく見る手法で、白のシチョウが良い場合に用いられることが多いです。
(細かい変化については、近いうちに記事にする予定なのでそちらを参照ください。)
白4で白悪くない変化になりますが、黒は確定地を持てるので悪くないと見ているのでしょうか。
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2016年12月21日

第11回春蘭杯世界囲碁選手権準々決勝

本日、第11回春蘭杯世界囲碁選手権の準々決勝が行われました。
組み合わせは以下のようになり、左側が勝者です。
柯潔九段―羋昱廷九段、黒中押し勝ち
檀嘯七段―柁嘉熹九段、白中押し勝ち
朴永訓九段―連笑七段、黒中押し勝ち
辜梓豪四段―金志錫九段、黒半目勝ち

12月22日に行われる準決勝は柯潔九段vs朴永訓九段、檀嘯七段vs辜梓豪四段となりました。
さて、本局を振り返っていきます。

囲碁926.jpeg
【柯潔九段(黒)vs羋昱廷九段】
黒1は筋違いに見えるが、白2と動き出させて右辺の白を重くするのが黒の意図するところです。
黒3に白4から6と逃げ出すよりないが、黒7と白を裂いた形が良く、黒優勢となりました。
Aのシチョウを見てBやCが利くため、見た目以上に白苦しい戦いを強いられています。
下辺の確定地が大きいですが、白2では3とノビるか大場に走る方が息の長い碁になったようです。
結果、黒中押し勝ち。
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2016年12月15日

第3回百霊杯世界オープン戦決勝五番勝負第三局

本日、第3回百霊杯世界オープン戦決勝五番勝負第三局が行われました。
陳耀燁九段に開幕2連勝を許し、カド番に追い込まれた柯潔九段だったが、
中盤で才気あふれる打ち回しで局面を打開することに成功し、白中押し勝ちを収めた。
この対局を境に逆転3連勝となるか、注目ですね。
さて、本局を振り返っていきます。

囲碁892.jpeg
【実戦図1:模様の張り合い】
黒番は陳耀燁九段、白番は柯潔九段です。
序盤戦は相手の間合いを図りつつ、双方模様を築く展開となった。
最近の碁はいきなり戦いが始まることが多いだけに、穏やかに進行するのは珍しいように見えます。
黒は左下の厚みを活かすためにも、左辺に手をつけていきたいところです。
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2016年12月13日

第42期天元戦挑戦手合五番勝負第四局

本日、第42期天元戦挑戦手合五番勝負第四局が行われました。
中盤の折衝で優勢を築いた井山天元は手厚い収束を見せて、中押し勝ちとなりました。
一力七段は残念な結果となりましたが、番碁の雰囲気に飲まれず打てていたのが印象的でした。
この経験は他の棋戦でも活きると思うので、今後の活躍に期待しましょう。
さて、本局を振り返っていきます。

囲碁876.jpeg
【実戦図1:間合いを図る】
黒番は一力遼七段、白番は井山天元です。
黒4は白の応手に合わせて全局的な打ち方を変える面白い手です。
しかし、黒の虚を突くように、白5と大場に走ったのが井山天元らしい着想でした。
A~Cの手段があるので、簡単には下辺の白は取れないことを主張しています。
双方、相手の打ち方を見て局面を動かしたい意図が見て取れます。
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2016年12月12日

阿含・桐山杯 第18期早碁オープン戦日中決戦

本日、阿含・桐山杯第18期早碁オープン戦日中決戦が行われました。
序中盤で中国の柯潔九段が優勢を築いていたが、一瞬の読み落としで難しい局面となる。
しかし、日本の河野臨九段は勝ちを焦ったのか決めきれず、最後は押し切られる結果となった。

対局終了後のインタビューで「世界一の秘訣はなんですか?」という問い掛けに、
「右辺で読み落とししているので、まだまだです。」と柯潔九段が応じていたのが印象的でした。
さて、本局を振り返っていきましょう。

囲碁867.jpeg
【実戦図1:序盤の分岐点】
黒は河野臨九段、白は柯潔九段です。
黒1に白2のトビは時々見られる手法で、黒からの封鎖を嫌った意図があります。
黒3は根拠を奪いながら地を稼ぐ好点だが、白4も大きく善悪の判断が難しいところです。
(普通は白2はAと二間にヒラくところです。次図に一例を紹介します。)
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2016年12月09日

第21回三星火災杯世界マスターズ観戦記(9)

第21回三星火災杯世界マスターズの決勝三番勝負が行われました。
柯潔九段は国際戦決勝まで進むものの、ここ数カ月は優勝と取りこぼしてきました。
第1局目を柁嘉熹九段が制したこともあり、この棋戦も残念な結果になることが予想されたが、
続く2局、3局では勝負強さが遺憾なく発揮され、逆転2連勝で見事優勝を果たしました。
さて、決勝戦で行われた3局を振り返っていきます。

<第1局目>
囲碁845.jpeg
【実戦図1:アルファ碁布石の定番】
黒が柯潔九段、白は柁嘉熹九段です。
黒1、3と上辺に構えるのはよく打たれる布石の一つ。
黒は実利で走っているように見えますが、白4の好点を許すため互角に近い形勢です。
未だにアルファ碁が採用した戦術は打たれているので、多くの棋士が有力と感じているようです。
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2016年12月02日

第42期天元戦挑戦手合五番勝負第三局

本日、第42期天元戦挑戦手合五番勝負の第三局が行われました。
第一局第二局に続いて、本局も両者の持ち味である力戦模様の展開となりました。
序盤から中盤にかけて、一力七段が巧みに模様を築いて打ちやすい碁形になったよう思えました。
しかし、井山天元の力技が炸裂し、瞬く間に一等地を荒らされて無念の投了となりました。
これで一力七段は後がなくなりましたが、次局も頑張ってほしいですね。
さて、本局を振り返っていきます。

囲碁803.jpeg
【実戦図1:地に辛い構え】
黒は井山天元、白は一力七段です。
黒1、3は地に辛い構え方に加えて、相手の手をある程度制限できる長所があります。
善悪は不明ですが、様々な布石で応用が利きそうな戦術なので流行るかもしれません。
(次図に手を制限できる簡単な参考図を紹介します。)
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2016年12月01日

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦、第9戦目

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦の第9戦目が行われました。
過去最強メンバーと評された韓国でしたが、一勝もできず朴廷桓九段にバトンが渡される。
韓国囲碁界の威信を賭けた重大な一戦だったが、序盤中盤で十二分に持ち味を発揮し快勝する。
中国の范廷鈺九段は力を出す暇もなく不本意な碁となったが、大会記録である7連勝を記録した。
さて、本局を振り返っていきます。

囲碁796.jpeg
【実戦図1:珍しい手法】
黒番は范廷鈺九段、白番は朴廷桓九段です。
黒1は△の味が残るのでほとんど打たれることはありません。
黒7と広く右辺に構えてもAやBの手があるため、右辺の黒陣は穴だらけです。
白2と手堅く上辺を占められているので、右上の厚みを活かしづらくなっており、既に白良しに見えます。
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2016年11月30日

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦、第8戦目

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦の第8戦目が行われました。
日本の村川大介八段は序盤で新型を披露するが、中盤での失点が大きく後退する結果となった。
范廷鈺九段はこれで連勝記録を7に伸ばし、大会記録を更新しつつあります。
さて、本局を振り返っていきます。

囲碁789.jpeg
【実戦図1:新しい試み】
黒番は范廷鈺九段、白番は村川大介八段です。
黒1から5は定石手順ですが、Aと引かずに白6と反発したのが意欲的な手法です。
打つ手も早かったので、おそらく事前に研究していた形だったのでしょう。
善悪不明ですが、新しい試みに挑戦する姿勢は素晴らしいですね。
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2016年11月29日

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦、第7戦目

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦の第7戦目が行われました。
韓国の金志錫九段は断髪し気合を入れていたが、中盤で致命的なミスを犯し無念の敗退となった。
第2ラウンドを折り返してもなお、范廷鈺九段の勢いは止まらず一方的な展開となっています。
このまま終わると中国の一強時代と言われてしまうので、日本韓国は一矢報いていきたいですね。
さて、本局を振り返っていきましょう。

囲碁784.jpeg
【実戦図1:足早な打ち回し】
黒番は金志錫九段、白番は范廷鈺九段です。
黒1を利かして黒3と右上一帯の模様に芯を入れましたのは、地に辛い打ち方です。
善悪不明ですが、范廷鈺九段に序盤から地を稼がれる展開を嫌ったように思えます。
当然、白4から6と下辺の黒陣を裂かれるが、ある程度サバければ黒の実利が光ります。
白は稼がれた以上の戦果が求められるため、容易ではありません。
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2016年11月28日

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦、第6戦目

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦の第6戦目が行われました。
日本三番手である河野臨九段が出陣し意欲的な布石を見せたものの、無念の敗退となりました。
第2ラウンドに入ってもなお、中国の范廷鈺九段は止まらず一騎当千の勢いです。
ここまでくると、中国の完全優勝が徐々に現実味を帯びてきました。
一矢報いるためにも、いち早く止めたいところですね。
さて、第6戦目を振り返っていきましょう。

囲碁773.jpeg
【実戦図1:珍しい配石】
黒1、3と構えるのは珍しい戦術です。
黒5までの進行は河野臨九段が事前に考えてきた戦術かと思われます。
現代では似たような布石を打たれる場合が増えており、序盤の考え方も徐々に変わりつつあります。
(下記の参考図に一例を紹介します。)
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2016年11月27日

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦、第5戦目

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦の第2ラウンドが始まりました。
現在の戦況(第五戦目まで)は以下の通りになっています。
中国:柯潔九段、柁嘉熹九段、范廷鈺九段、連笑七段、范蘊若五段
日本:井山裕太九段、河野臨九段、村川大介八段
韓国:朴廷桓九段、金志錫九段

このラウンドでどこまで日本が追い上げられるか注目ですね。
さて、第5戦目を振り返っていきます。

囲碁767.jpeg
【実戦図1:得意の布石】
黒番は姜東潤九段、白番は范廷鈺九段です。
白6までの形は第二戦目と全く同じ進行を辿っています。
序盤に地を稼いで逃げ切るのを好む范廷鈺九段とっては相性の良い布石かもしれません。
実際の所は、黒も立派な厚みを得られるので良い勝負だと思います。
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2016年11月19日

第64期王座戦挑戦手合五番勝負第3局

本日、第64期王座戦挑戦手合五番勝負第3局が行われました。
序盤から手厚く打ち進めた井山王座が中盤で差を広げ、見事王座戦2連覇を成し遂げました。
余正麒七段にとって、勝ち碁を落とす不本意なシリーズとなりましたが、次回の活躍に期待します。
さて、本局を振り返っていきます。

囲碁717.jpeg
【実戦図1:最近流行の打ち方】
黒番が余正麒七段、白番が井山王座です。
白1から7までの打ち方は最近流行の打ち方で、ブログでも数日前にこちらで紹介しました。
右下に厚みを築かれると、黒2はAにあった方が良い理屈になるため、これは白良しだと思います。
簡明な進行で白悪くない展開に持っていけるのが好評で、よく打たれる手法となっています。

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2016年11月12日

第42期天元戦挑戦者手合五番勝負第二局

本日、第42期天元戦挑戦者手合五番勝負第二局が行われました。
本局は始まりから終わりまで戦いが続く、力戦模様の展開でした。
中盤途中で井山天元の誤算があったのか、一力遼七段が押し切る結果となり、1-1に戻した。
19歳の一力七段がこの調子で天元奪取まで手が届くか、注目ですね。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁652.jpeg
【実戦図1:流行形の開幕】
黒番は一力遼七段、白番は井山天元です。
最近の棋譜を見ると、黒の小林流に対して白1、3とハサミ返す変化が増加しています。
善し悪しは不明ですが、黒の対応を見て白は手を変えられるのが長所でしょうね。
白5は先に右下から補強する珍しい手法で、井山天元らしい斬新な打ち方です。
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