2016年12月01日

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦、第9戦目

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦の第9戦目が行われました。
過去最強メンバーと評された韓国でしたが、一勝もできず朴廷桓九段にバトンが渡される。
韓国囲碁界の威信を賭けた重大な一戦だったが、序盤中盤で十二分に持ち味を発揮し快勝する。
中国の范廷鈺九段は力を出す暇もなく不本意な碁となったが、大会記録である7連勝を記録した。
さて、本局を振り返っていきます。

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【実戦図1:珍しい手法】
黒番は范廷鈺九段、白番は朴廷桓九段です。
黒1は△の味が残るのでほとんど打たれることはありません。
黒7と広く右辺に構えてもAやBの手があるため、右辺の黒陣は穴だらけです。
白2と手堅く上辺を占められているので、右上の厚みを活かしづらくなっており、既に白良しに見えます。
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2016年11月30日

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦、第8戦目

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦の第8戦目が行われました。
日本の村川大介八段は序盤で新型を披露するが、中盤での失点が大きく後退する結果となった。
范廷鈺九段はこれで連勝記録を7に伸ばし、大会記録を更新しつつあります。
さて、本局を振り返っていきます。

囲碁789.jpeg
【実戦図1:新しい試み】
黒番は范廷鈺九段、白番は村川大介八段です。
黒1から5は定石手順ですが、Aと引かずに白6と反発したのが意欲的な手法です。
打つ手も早かったので、おそらく事前に研究していた形だったのでしょう。
善悪不明ですが、新しい試みに挑戦する姿勢は素晴らしいですね。
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2016年11月29日

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦、第7戦目

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦の第7戦目が行われました。
韓国の金志錫九段は断髪し気合を入れていたが、中盤で致命的なミスを犯し無念の敗退となった。
第2ラウンドを折り返してもなお、范廷鈺九段の勢いは止まらず一方的な展開となっています。
このまま終わると中国の一強時代と言われてしまうので、日本韓国は一矢報いていきたいですね。
さて、本局を振り返っていきましょう。

囲碁784.jpeg
【実戦図1:足早な打ち回し】
黒番は金志錫九段、白番は范廷鈺九段です。
黒1を利かして黒3と右上一帯の模様に芯を入れましたのは、地に辛い打ち方です。
善悪不明ですが、范廷鈺九段に序盤から地を稼がれる展開を嫌ったように思えます。
当然、白4から6と下辺の黒陣を裂かれるが、ある程度サバければ黒の実利が光ります。
白は稼がれた以上の戦果が求められるため、容易ではありません。
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2016年11月28日

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦、第6戦目

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦の第6戦目が行われました。
日本三番手である河野臨九段が出陣し意欲的な布石を見せたものの、無念の敗退となりました。
第2ラウンドに入ってもなお、中国の范廷鈺九段は止まらず一騎当千の勢いです。
ここまでくると、中国の完全優勝が徐々に現実味を帯びてきました。
一矢報いるためにも、いち早く止めたいところですね。
さて、第6戦目を振り返っていきましょう。

囲碁773.jpeg
【実戦図1:珍しい配石】
黒1、3と構えるのは珍しい戦術です。
黒5までの進行は河野臨九段が事前に考えてきた戦術かと思われます。
現代では似たような布石を打たれる場合が増えており、序盤の考え方も徐々に変わりつつあります。
(下記の参考図に一例を紹介します。)
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2016年11月27日

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦、第5戦目

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦の第2ラウンドが始まりました。
現在の戦況(第五戦目まで)は以下の通りになっています。
中国:柯潔九段、柁嘉熹九段、范廷鈺九段、連笑七段、范蘊若五段
日本:井山裕太九段、河野臨九段、村川大介八段
韓国:朴廷桓九段、金志錫九段

このラウンドでどこまで日本が追い上げられるか注目ですね。
さて、第5戦目を振り返っていきます。

囲碁767.jpeg
【実戦図1:得意の布石】
黒番は姜東潤九段、白番は范廷鈺九段です。
白6までの形は第二戦目と全く同じ進行を辿っています。
序盤に地を稼いで逃げ切るのを好む范廷鈺九段とっては相性の良い布石かもしれません。
実際の所は、黒も立派な厚みを得られるので良い勝負だと思います。
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2016年11月19日

第64期王座戦挑戦手合五番勝負第3局

本日、第64期王座戦挑戦手合五番勝負第3局が行われました。
序盤から手厚く打ち進めた井山王座が中盤で差を広げ、見事王座戦2連覇を成し遂げました。
余正麒七段にとって、勝ち碁を落とす不本意なシリーズとなりましたが、次回の活躍に期待します。
さて、本局を振り返っていきます。

囲碁717.jpeg
【実戦図1:最近流行の打ち方】
黒番が余正麒七段、白番が井山王座です。
白1から7までの打ち方は最近流行の打ち方で、ブログでも数日前にこちらで紹介しました。
右下に厚みを築かれると、黒2はAにあった方が良い理屈になるため、これは白良しだと思います。
簡明な進行で白悪くない展開に持っていけるのが好評で、よく打たれる手法となっています。

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2016年11月12日

第42期天元戦挑戦者手合五番勝負第二局

本日、第42期天元戦挑戦者手合五番勝負第二局が行われました。
本局は始まりから終わりまで戦いが続く、力戦模様の展開でした。
中盤途中で井山天元の誤算があったのか、一力遼七段が押し切る結果となり、1-1に戻した。
19歳の一力七段がこの調子で天元奪取まで手が届くか、注目ですね。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁652.jpeg
【実戦図1:流行形の開幕】
黒番は一力遼七段、白番は井山天元です。
最近の棋譜を見ると、黒の小林流に対して白1、3とハサミ返す変化が増加しています。
善し悪しは不明ですが、黒の対応を見て白は手を変えられるのが長所でしょうね。
白5は先に右下から補強する珍しい手法で、井山天元らしい斬新な打ち方です。
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2016年11月11日

第1回新奥杯世界囲碁オープン戦、第三回戦ハイライト(全8局分)

第1回新奥杯世界囲碁オープン戦の3回戦目が行われました。
日本勢で唯一勝ち進んだ伊田篤史八段でしたが、柯潔九段に逆転を許し敗退となりました。
次回はもっと良い結果を残せるよう、頑張ってほしいですね。
さて、本日行われた対局を見ていきます。

囲碁644.jpeg
【柯潔九段(黒)vs伊田篤史八段】
白1、3の出切りを決めてから、白5と出るのが好手順でした。
黒は無理矢理取りにいくのは得策でないので、黒6と右下の白を制すくらいです。
白7まで、中央の白がシノげたので、白優勢を築くことに成功しています。
しかし、終盤で白のやり過ぎがあり、黒の逆転を許してしまいます。
結果、黒中押し勝ち。
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2016年11月09日

第1回新奥杯世界囲碁オープン戦、第二回戦ハイライト(全16局分)

第1回新奥杯世界囲碁オープン戦の32強戦が行われました。
日本の伊田篤史八段は陳賢六段に中押し勝ちし、16強に勝ち進みました!
この機会に、日本の存在感を世界に示してほしいですね。
さて、今日行われた対局を振り返っていきます。

囲碁628.jpeg
【伊田篤史八段(黒)vs陳賢六段】
黒1は左辺と下辺の白を分断する好手でした。
白2に黒3から9と押して全体的に黒厚い局面となり、黒優勢となっています。
白10で全ての白を守られたように見えますが、黒19と上辺を広げる好点に回れれば黒十分です。
結果、黒中押し勝ち。
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2016年11月08日

第64期王座戦挑戦手合五番勝負第2局

第64期王座戦挑戦手合五番勝負第2局が本日行われました。
先日、井山王座は六冠に後退し、気落ちしているのではと思いましたが無用の心配でした。
余正麒七段の鋭い仕掛けで形勢不明になるも、井山王座の力強い収束で二勝目を上げました。
碁の内容を見ている限り、思い切った手を名人戦の時以上に打てているように感じます。
さて、本局を振り返っていきます。

囲碁620.jpeg
【実戦図1:現代的な戦術】
黒番は井山王座、白番は余正麒七段です。
序盤早々、黒1のシマリに白2とツケていくのが現代的な手法。
形を決めて悪いように感じますが、小目シマリを凝り形にして足早な展開にするのが狙いです。
黒AやBの受けは白の意図する進行に導かれるため、黒3と反発して白の構想を崩しました。
左下を補強しながら右下にプレッシャーをかける手で、見た目以上に対応が難しいです。
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2016年11月07日

第1回新奥杯世界囲碁オープン戦、第一回戦ハイライト(全32局分)

第1回新奥杯世界囲碁オープン戦が開幕しました。
近年、国際戦が次々と企画されており、国境を越えた対局が急速に増えています。
出場する日本棋士は伊田篤史八段、本木克弥七段、富士田明彦五段、結城聡九段です。
伊田八段は見事半目勝利し、32強戦に駒を進めました。(次の相手は陳賢五段)
日本は国際戦で遅れを取っているので頑張ってほしいですね。
さて、今日行われた対局を序盤主体に見ていきます。

囲碁588.jpeg
【柯潔九段(黒)vs安国鉉五段】
白1のコスミツケに受けず、黒2と右上の白に迫る実戦例が非常に増えています。
白3には黒6、8と白の根拠を奪いながら右辺を補強できるのが、この形の利点です。
白Aと補強するくらいですが、黒Bと上辺を調子が広げられるので、私は黒良しに感じます。
結果、黒中押し勝ち。

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2016年11月03日

第41期名人戦七番勝負第7局二日目

第41期名人戦七番勝負第7局二日目が行われました。
初日、優勢を築いた高尾九段が白2目半勝ちを収め、10年ぶりに名人復位しました。
7冠維持した日数は204日でストップし、井山九段は6冠に後退します。
これから、王座と天元戦があるので気持ちを切り替えて頑張ってほしいですね。
さて、本局を振り返っていきましょう。

囲碁551.jpeg
【実戦図1:アルファ碁布石】
黒番は井山名人、白番は高尾九段です。
白1のノゾキを決める実戦例は最近見ませんが、白3から9までの流れはよく打たれます。
アルファ碁が用いた戦術は非常に優秀であると認められたからだと思います。
善悪はまだ結論出ていないようですが、私は白打ちやすいと考えてます。
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第21回三星火災杯世界マスターズ観戦記(8)

昨日、第21回三星火災杯世界マスターズの準決勝三番勝負第3局が行われました。
柯潔九段と柁嘉熹九段が勝利し、12月6日から始まる決勝戦への切符を手にした。
今回は柁嘉熹九段vs范蘊若五段で珍しい戦術、変化が用いられていたので、
こちらを重点的に解説していきたいと思います。
さて、2局を振り返っていきます。

囲碁536.jpeg
【柁嘉熹九段(黒)vs范蘊若五段】
黒1、3と低く構えるのは珍しいです。
配石が低位置なのでバランスは良くないですが、下辺の打ち込みに強く戦える利点があります。
最近の碁は見た目の感覚よりも数十手先を見越した手を打たれることが多いです。
(過去にこの布石を解説した記事があるので、そちらも参照ください。)
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2016年11月02日

第41期名人戦七番勝負第7局初日

第41期名人戦七番勝負は、開幕3連勝した高尾九段が後一歩のところまで追いつめるも、
第四局目以降、手厚い打ち回しに切り替えた井山名人が3連勝し、第七局まで進みました。
流れは井山名人にあると思えた最終局ですが、白番の高尾九段が若干良いようです。
さて、封じ手の局面を振り返っていきます。

囲碁528.jpeg
【封じ手局面:白若干良しの形勢】
黒は井山名人、白は高尾九段です。
形勢は白良しなので、黒のツケに対してうまく対処すれば勝ちが見えてきます。
白Aとハネる一手に見えますが、傷を残したくないのであれば白Bとノビるのも考えられそうです。
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第21回三星火災杯世界マスターズ観戦記(7)

本日、第21回三星火災杯世界マスターズの準決勝第2局が行われました。
昨日の敗者である李世乭九段と范蘊若五段が勝利し、明日の第3戦に望みを繋げました。
今回行われた2局はそれぞれアルファ碁が用いた布石を採用しており、18手目まで全く同じです。
研究や経験のある序盤戦に導いて、持時間を節約するのが目的でしょうね。
勝敗を左右する大半は中盤戦の優劣ですから当然の対応です。
さて、本日の対局を振り返ります。

囲碁513.jpeg
【李世乭九段(黒)vs柯潔九段】
白1から5を決めてから白7とツケるのが大流行している布石の一つです。
黒から様々な手段が考えられますが、多くの場合は黒8から12と受けることが多いです。
このワカレは白悪くないと見る方が多いようですが、黒の確定地も多いのでいい勝負でしょうか。
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