2017年03月11日

第16期中国西南王戦準々決勝

本日、第16期中国西南王戦準々決勝が行われました。
組み合わせは以下のようになり、左側が勝者です。
柯潔九段ー時越九段、白中押し勝ち
常昊九段ー彭筌七段、白1目半勝ち
檀嘯七段ー李翔宇三段、黒中押し勝ち
楊鼎新五段―芈昱廷九段、黒中押し勝ち


4局とも囲碁AIの手法を取り入れられており、碁の考え方が少しずつ変化しているようです。
今後、碁の打ち方がどのように進化していくか、楽しみですね。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁1544.jpeg
【時越九段(黒)vs柯潔九段】
白1はMasterが用いた新手法です。(こちらの記事も参照ください)
黒2と右辺を割られても、白3とかわして白打てると判断しているようです。
右上の白は心許ないように見えますが、AやBがあるため厳しく攻めるのが難しいです。
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2017年02月22日

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦、第11戦目

本日、第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦の第11戦目が行われました。
序盤から中盤は双方相手に決め手を与えないよう、ギリギリの距離感を保つ進行となった。
終盤で朴廷桓九段は勝負手を打つ機会はあったが、勝負せずに足りると判断したのが仇となる。
その後も懸命に追い上げるも、僅かに届かず韓国は無念の敗退を喫した。
中国は2番手の范蘊若五段を含む、4人を残した状況で本棋戦4連覇を果たしました。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁1401.jpeg
【実戦図1:掴み所のない序盤戦】
黒番が朴廷桓九段、白番は范蘊若五段です。
ここ数年、白1と下辺の黒陣を消すのが主流となっています。
黒2を利かし、黒4から8と右下を確定地にするのが定型化された手順です。
善悪の判断が分かれるワカレですが、個人的には白悪くないように思えます。
なぜなら黒地はこれ以上増えにくいですが、白陣は大きくなる可能性が高いからです。
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2017年02月21日

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦、第10戦目

本日、第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦の第10戦目が行われました。
序盤から中盤にかけて朴廷桓九段の中央志向の打ち回しが光り、優勢を築きます。
井山裕太九段は様々な戦術を展開するも、冷静に受け切られて投了となった。
最終ラウンド初日で日本は姿を消す結果となったが、次回以降の活躍に期待します。
さて、本局を振り返っていきます。

囲碁1391.jpeg
【実戦図1:中央志向の挑戦】
黒番が井山裕太九段、白番は朴廷桓九段です。
白1は右辺の白陣拡大を睨みながら左上一帯の黒模様を消す意図があります。
黒2から12と稼がれて白アマイように見えますが、白13とさらに中央を占めていきます。
上辺の価値を下げる効果と白Aの攻防から生じるシチョウ関係を睨んだ手のようです。
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2017年01月31日

2017賀歳杯中日韓囲碁新春争覇戦、三日目

本日、2017賀歳杯中日韓囲碁新春争覇戦の三日目が行われました。
井山九段の国際戦優勝に多くのファンが期待を寄せていたが、柯潔九段の壁は厚く、無念の敗退。
本棋戦は今回で五回目となるが、全て中国の棋士が優勝する結果で終わっています。
(第1回:時越九段、第2回:時越九段、第3回:柁嘉熹九段、第4回:柯潔九段、第5回:柯潔九段)
さて、対局を振り返っていきましょう。

囲碁1264.jpeg
【実戦図1:Masterを彷彿させる打ち方】
黒番は井山九段、白番は柯潔九段です。
白1に黒2とコスミツケる手法はMasterの60局にうち、数局ありました。
白3、5で左上の白は強くなりますが、黒6から8と左辺を制限してから黒10に先着して黒十分です。
白は左辺に偏り過ぎた布石となっているため、全局的には白出遅れていると言えるでしょう。
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2017年01月30日

2017賀歳杯中日韓囲碁新春争覇戦、二日目

本日、2017賀歳杯中日韓囲碁新春争覇戦の二日目が行われました。
中国の柯潔九段が韓国の朴延桓九段に勝利し、決勝戦で井山九段と再び激突します。
久しぶりに日本が世界一の栄冠を持ち帰れるか、注目ですね。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁1250.jpeg
【実戦図1:気合の応酬】
黒番は朴延桓九段、白番は柯潔九段です。
黒は下辺で有利な戦いを展開するため、黒1を利かしてから黒3と右下の白を追及します。
白6までの善悪は難しいが、右下に手をかけても白AやBが残るので若干白得しているように見えます。
昨日もそうだが、柯潔九段は手厚さ重視の打ち方に変わりつつあるように感じます。
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2017年01月29日

2017賀歳杯中日韓囲碁新春争覇戦、初日

本日、2017賀歳杯中日韓囲碁新春争覇戦の初日が行われました。
出場する選手は日本の井山裕太九段、中国は柯潔九段、韓国は朴延桓九段です。
各国のトップ棋士が集まった本棋戦はまさに頂上決戦にふさわしいものになったと言えるでしょう。
初戦は井山九段は柯潔九段に黒中押し勝ちを収め、幸先の良いスタートを切りました。
明日、柯潔九段と朴延桓九段が対戦し、勝者が井山九段と決勝戦でぶつかります。
※中国ルール(コミ7目半)、1手30秒で1分の考慮時間10回。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁1241.jpeg
【実戦図1:ツケ引き定石の改良】
黒番は井山九段、白番は柯潔九段です。
白2、4のツケ引きはプロアマ問わず、多く打たれている定石の一つ。
ここ数年、黒5にはAと受けずに白6と一路高くして応じるのが主流となっています。
左下からの圧力が強くし、黒9の受けを強要させる意味があります。
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2017年01月15日

第41期棋聖戦七番勝負第1局二日目

本日、第41期棋聖戦七番勝負第1局の二日目が行われました。
中盤以降で井山棋聖の剛腕が炸裂し、僅かに黒良しと見られていた。
しかし、形勢判断や秒読みなど様々な要因が重なり、一瞬の隙を突かれて逆転を許す。
一つのミスで積み重ねてきたものが崩れ落ちる碁の恐ろしさを改めて確認できました。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁1134.jpeg
【実戦図1:Masterの手法】
黒1に白2と応じるのはMasterの打ち方です。(詳細はこちら参照)
善悪不明ですが、先手を取って白4と下辺に回れば白悪くなさそうです。
黒5には白6と上から受ければ、自然と右辺の模様を制限しつつ左下の白模様を広げています。
黒の厚みを活かすのは難しいと思うので、個人的には白持ちです。
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2017年01月14日

第41期棋聖戦七番勝負第1局初日

本日、第41期棋聖戦七番勝負第1局が行われました。
挑戦者の河野臨九段は切れ味鋭い読みと正確な形勢判断を持ち味としています。
一方、井山棋聖は剛腕であると同時に、斬新な手を打つことが多いように感じます。
両者の強みがぶつかった時、どういった碁になるか楽しみですね。

【初日の概要】
序盤から河野臨九段がMasterの手法を用いるなど、意欲的な出だしで始まる。
双方、自由奔放に打つ様は碁の可能性へ挑戦しているように見えました。
本局は井山棋聖の強打がどこまで活きるかが、勝敗の分かれ道となりそうだ。
さて、封じ手直前の局面を振り返っていきます。

囲碁1124.jpeg
【封じ手局面:右辺の競り合い】
黒番は井山棋聖、白番は河野臨九段です。
黒1の強打に白2と手厚く応じて封じ手となりました。
中央の黒石が孤立した格好となり、どう活かしていくかが勝負所となります。
A~Cが封じ手の候補ですが、いずれも黒難しい戦いを強いられるように見えます。
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2016年12月23日

第11回春蘭杯世界囲碁選手権準決勝

本日、第11回春蘭杯世界囲碁選手権準決勝が行われました。
まず注目の集まったカードは、朴永訓九段vs柯潔九段です。
序盤から中盤にかけて朴永訓九段は息の長い碁を目指し、手厚く打ち回すことを選択します。
柯潔九段は鋭い読みを用いて追及するも、軽やかにかわされ形勢を損じて投了となりました。


もう一方の山は辜梓豪四段vs檀嘯七段です。
中盤始めは檀嘯七段の技ありとなり、辜梓豪四段は苦しい展開を強いられます。
後半戦で鬼気迫る打ち回しで追い上げるが、檀嘯七段は冷静な収束でつけ入る隙を与えなかった。

来年6月に行われる決勝3番勝負は朴永訓九段vs檀嘯七段となり、今年の世界戦に終止符を打った。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁939.jpeg
【柯潔九段(黒)vs朴永訓九段】
序盤早々、黒1と打ち込むのは最近の流行です。
対抗策として白2とツケるのもよく見る手法で、白のシチョウが良い場合に用いられることが多いです。
(細かい変化については、近いうちに記事にする予定なのでそちらを参照ください。)
白4で白悪くない変化になりますが、黒は確定地を持てるので悪くないと見ているのでしょうか。
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2016年12月21日

第11回春蘭杯世界囲碁選手権準々決勝

本日、第11回春蘭杯世界囲碁選手権の準々決勝が行われました。
組み合わせは以下のようになり、左側が勝者です。
柯潔九段―羋昱廷九段、黒中押し勝ち
檀嘯七段―柁嘉熹九段、白中押し勝ち
朴永訓九段―連笑七段、黒中押し勝ち
辜梓豪四段―金志錫九段、黒半目勝ち

12月22日に行われる準決勝は柯潔九段vs朴永訓九段、檀嘯七段vs辜梓豪四段となりました。
さて、本局を振り返っていきます。

囲碁926.jpeg
【柯潔九段(黒)vs羋昱廷九段】
黒1は筋違いに見えるが、白2と動き出させて右辺の白を重くするのが黒の意図するところです。
黒3に白4から6と逃げ出すよりないが、黒7と白を裂いた形が良く、黒優勢となりました。
Aのシチョウを見てBやCが利くため、見た目以上に白苦しい戦いを強いられています。
下辺の確定地が大きいですが、白2では3とノビるか大場に走る方が息の長い碁になったようです。
結果、黒中押し勝ち。
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2016年12月15日

第3回百霊杯世界オープン戦決勝五番勝負第三局

本日、第3回百霊杯世界オープン戦決勝五番勝負第三局が行われました。
陳耀燁九段に開幕2連勝を許し、カド番に追い込まれた柯潔九段だったが、
中盤で才気あふれる打ち回しで局面を打開することに成功し、白中押し勝ちを収めた。
この対局を境に逆転3連勝となるか、注目ですね。
さて、本局を振り返っていきます。

囲碁892.jpeg
【実戦図1:模様の張り合い】
黒番は陳耀燁九段、白番は柯潔九段です。
序盤戦は相手の間合いを図りつつ、双方模様を築く展開となった。
最近の碁はいきなり戦いが始まることが多いだけに、穏やかに進行するのは珍しいように見えます。
黒は左下の厚みを活かすためにも、左辺に手をつけていきたいところです。
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2016年12月13日

第42期天元戦挑戦手合五番勝負第四局

本日、第42期天元戦挑戦手合五番勝負第四局が行われました。
中盤の折衝で優勢を築いた井山天元は手厚い収束を見せて、中押し勝ちとなりました。
一力七段は残念な結果となりましたが、番碁の雰囲気に飲まれず打てていたのが印象的でした。
この経験は他の棋戦でも活きると思うので、今後の活躍に期待しましょう。
さて、本局を振り返っていきます。

囲碁876.jpeg
【実戦図1:間合いを図る】
黒番は一力遼七段、白番は井山天元です。
黒4は白の応手に合わせて全局的な打ち方を変える面白い手です。
しかし、黒の虚を突くように、白5と大場に走ったのが井山天元らしい着想でした。
A~Cの手段があるので、簡単には下辺の白は取れないことを主張しています。
双方、相手の打ち方を見て局面を動かしたい意図が見て取れます。
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2016年12月12日

阿含・桐山杯 第18期早碁オープン戦日中決戦

本日、阿含・桐山杯第18期早碁オープン戦日中決戦が行われました。
序中盤で中国の柯潔九段が優勢を築いていたが、一瞬の読み落としで難しい局面となる。
しかし、日本の河野臨九段は勝ちを焦ったのか決めきれず、最後は押し切られる結果となった。

対局終了後のインタビューで「世界一の秘訣はなんですか?」という問い掛けに、
「右辺で読み落とししているので、まだまだです。」と柯潔九段が応じていたのが印象的でした。
さて、本局を振り返っていきましょう。

囲碁867.jpeg
【実戦図1:序盤の分岐点】
黒は河野臨九段、白は柯潔九段です。
黒1に白2のトビは時々見られる手法で、黒からの封鎖を嫌った意図があります。
黒3は根拠を奪いながら地を稼ぐ好点だが、白4も大きく善悪の判断が難しいところです。
(普通は白2はAと二間にヒラくところです。次図に一例を紹介します。)
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2016年12月09日

第21回三星火災杯世界マスターズ観戦記(9)

第21回三星火災杯世界マスターズの決勝三番勝負が行われました。
柯潔九段は国際戦決勝まで進むものの、ここ数カ月は優勝と取りこぼしてきました。
第1局目を柁嘉熹九段が制したこともあり、この棋戦も残念な結果になることが予想されたが、
続く2局、3局では勝負強さが遺憾なく発揮され、逆転2連勝で見事優勝を果たしました。
さて、決勝戦で行われた3局を振り返っていきます。

<第1局目>
囲碁845.jpeg
【実戦図1:アルファ碁布石の定番】
黒が柯潔九段、白は柁嘉熹九段です。
黒1、3と上辺に構えるのはよく打たれる布石の一つ。
黒は実利で走っているように見えますが、白4の好点を許すため互角に近い形勢です。
未だにアルファ碁が採用した戦術は打たれているので、多くの棋士が有力と感じているようです。
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2016年12月02日

第42期天元戦挑戦手合五番勝負第三局

本日、第42期天元戦挑戦手合五番勝負の第三局が行われました。
第一局第二局に続いて、本局も両者の持ち味である力戦模様の展開となりました。
序盤から中盤にかけて、一力七段が巧みに模様を築いて打ちやすい碁形になったよう思えました。
しかし、井山天元の力技が炸裂し、瞬く間に一等地を荒らされて無念の投了となりました。
これで一力七段は後がなくなりましたが、次局も頑張ってほしいですね。
さて、本局を振り返っていきます。

囲碁803.jpeg
【実戦図1:地に辛い構え】
黒は井山天元、白は一力七段です。
黒1、3は地に辛い構え方に加えて、相手の手をある程度制限できる長所があります。
善悪は不明ですが、様々な布石で応用が利きそうな戦術なので流行るかもしれません。
(次図に手を制限できる簡単な参考図を紹介します。)
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