2017年06月21日

第3回夢百合杯世界オープン戦32強戦

本日、第3回夢百合杯世界オープン戦の32強戦が行われました。
日本は高尾紳路九段と河野臨九段が出場するも、中国の壁に阻まれ無念の敗退となった。
囲碁AIのZENは序盤から大胆な作戦を展開するが、明らかな悪手を打ち出してしまう。
コウ材を無駄に消費したことにより終盤のコウ争いで大いに後退し、半目負けを喫した。
相変わらず、悪い癖が治り切っていないようで、まだまだ課題が山積している。
さて、対局を振り返っていきます。

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【李世乭九段(黒)vs崔哲瀚九段】
単に黒1とヒラくのは今では珍しい打ち方。
白2が手堅い手で▲の活力が失われるため、後の打ち方が難しいと言われているからです。
黒3と右上を大きく広げた手に対し、白4から模様を削りに行ったのが面白い手でした。
囲碁AIが用いたことにより、こうした手法が様々な局面で見られるようになっています。
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2017年06月20日

第3回夢百合杯世界オープン戦64強戦(2)

前回はZENの対局を丁寧に見たので、今回は人間の棋譜を確認していきます。
どの碁を見ても、少なからず囲碁AIの影響を受けているような一面を感じます。
囲碁AIの発想を意図的に実戦で用いて、打ち筋の呼吸を直に掴もうとしているからでしょう。
分からないことだらけですが、それでも新手法を取り入れようとする貪欲さは流石ですね。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁2156.jpeg
【王昊洋六段(黒)vs申真諝八段】
白1、3の形はアルファ碁の自己対戦に似たような形があります。(こちらを参照)
一昔前は小目に対して、白3と直接ツケる手はほぼ考えられませんでした。
ただ、黒の勢力圏を消す上では十分あり得る手で応用の利く戦術の一つだと思います。
現局面は白Aの利きを見られているため、黒も細心の注意を払って応じなくてはなりません。
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2017年06月19日

第3回夢百合杯世界オープン戦64強戦(1)

本日、第3回夢百合杯世界オープン戦の本戦が開幕しました。
日本は高尾紳路九段、河野臨九段、余正麒七段が出場し、高尾九段と河野九段が勝ち進んだ。
6月21日に行われる32強戦は高尾九段vs汪濤六段(中国)、河野九段vs戎毅五段(中国)です。

本棋戦の目玉は囲碁AIのDeepZenGoの参戦でしょう。
緒戦は序盤中盤で韓国の申旻埈五段を圧倒し、終盤に入る頃には大差となっていた。
序盤中盤力の高さは驚異的で、弱点とされている終盤まで持ち堪えるのは至難の業のようだ。
本局も囲碁AI特有の面白い手が出たので、次はどのような碁を見せるか楽しみです。

また、日本棋院が遂にZENを棋士強化に活用することを発表しました!(こちらを参照)
6月21日~12月31日まで幽玄の間で実施するので、一見する価値は大いにあるでしょう。
さて、対局を振り返っていきます。

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【申旻埈五段(黒)vsDeepZenGo】
黒1に白2と黒3を交換した後、白4と打ったのが人間では考えつかない手でした。
AやBが考えられるが、右上一帯の黒陣が消えてしまうので強く反発したいところ。
こういった手を見ると、改めてZENのバランス感覚は独特だと感じますね。
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2017年05月31日

第22回LG杯朝鮮日報棋王戦、16強戦

本日、第22回LG杯朝鮮日報棋王戦16強戦が行われました。
日本の井山裕太九段が世界トップ棋士である周睿羊九段を破り、8強入りを果たした。
ここ数年、日本は世界に後れを取っていただけに、世界戦優勝への期待が膨らみます。
11月13日に行われる8強戦は、井山裕太九段vs楊鼎新五段(中国)です。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁2010.jpeg
【朴廷桓九段(黒)vs江維傑九段】
黒1から5に白6のカドに迫るのがアルファ碁手法です。
左辺の黒を固めても二間幅なので惜しくないと見ています。
ただし、黒を強くしてしまう意味もあるので、一長一短な打ち方と言えるでしょう。
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2017年05月29日

第22回LG杯朝鮮日報棋王戦、32強戦

本日、第22回LG杯朝鮮日報棋王戦32強戦が行われました。
日本は井山裕太九段、伊田篤史八段、一力遼七段が参戦し、井山と伊田が16強に駒を進めた。
次の対戦も厳しい戦いが予想されるが、日本の存在感を示すためにも頑張ってほしいですね。
5月31日の16強戦は、井山九段vs周睿羊九段(中国)、伊田八段vs申眞諝八段(韓国)です。
今回は序盤早々、三々に入る対局が数局あったので、それを取り上げていきます。

囲碁1980.jpeg
【周睿羊九段(黒)vs金庭賢六段】
白1に黒2、4と右下隅を固めるのがMasterの手法。
白5ではAとツケて下辺を大きく構えるのが主流だが、実戦は穏やかな進行となる。
序盤早々、黒10と三々に入るのはアルファ碁の影響を色濃く受けた打ち方の一つ。
BやCと受けても、白は簡単には良くならないため、大流行しそうだ。
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2017年05月16日

中国甲級リーグ、六日目

本日、中国甲級リーグの6戦目が行われました。
非常に珍しい戦術が多く現れており、碁の打ち方は無限大であると改めて感じました。
今までは考えられなかった打ち方が短期間でこれ程多く見つかっていることからも、
以前よりも碁の進化のスピードが急速に上がっていることがわかります。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁1910.jpeg
【李欽誠九段(黒)vs柯潔九段】
序盤早々、白6と三々に入りました。
一昔前では考えられなかった手法で、多くの方が驚愕するのではないでしょうか。
善悪不明ですが、こうした打ち方が評価される時代がくるかもしれません。
(参考記事はこちらです)
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2017年05月14日

中国甲級リーグ、五日目

本日、中国甲級リーグの5戦目が行われました。
やはり、中韓の棋士は囲碁AIと打っているだけあって、打ち方が大きく進化しています。
特に、黄雲崇七段は数日前に負けた囲碁AIの戦術を採用し、見事勝利していました。
新たな可能性に挑戦する棋士達の向上心には頭が上がりません。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁1895.jpeg
【黄雲崇七段(黒)vs安成浚六段】
少し前なら、黒2はひどく怒られる一手でした。
実は、二日前に絶芸が黄雲崇七段に打った戦術で、非常に面白い打ち方でした。
黒8まで、黒は上辺に偏った序盤戦で見た目は黒良いように見えませんが、
打ち進めていくと、白容易でない局面になっていることに気づきます。
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2017年05月11日

第1回新奥杯世界囲碁オープン戦、準決勝三番勝負第二局

第1回新奥杯世界囲碁オープン戦の準決勝第二局が行われました。
組み合わせは以下のようになりました。(左側が勝者)
柯潔九段ー李喆六段、白中押し勝ち
彭立尭五段ー周睿羊九段、黒中押し勝ち


柯潔九段が2連勝し、一足早く決勝に駒を進めました。
本日の二戦を観戦する限り、碁の打ち方が革命的に進化していると感じますね。
囲碁AIにより、碁の進化が10年以上進んだと言っても過言ではないでしょう。
さて、対局を振り返っていきます。

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【李喆六段(黒)vs柯潔九段】
白2と三々に構えるのは非常に珍しいです。
最近の柯潔九段は三々を駆使した序盤戦術が多く、有力と見ているようです。
白6にAと受けるなら無難ですが、黒7と大場に走って白の両カカリを誘います。
双方、新しい試みに挑戦する姿勢が見えます。
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2017年05月09日

第1回新奥杯世界囲碁オープン戦、準決勝三番勝負第一局

第1回新奥杯世界囲碁オープン戦の準決勝第一局が行われました。
組み合わせは以下のようになりました。(左側が勝者)
柯潔九段ー李喆六段、黒中押し勝ち
周睿羊九段ー彭立尭五段、黒中押し勝ち


なんというか、囲碁AI化が進んでいますね。
特に柯潔九段の動きが常軌を逸しており、思考停止しかける打ち回しでした。
これから碁が進化していくとこうした碁になるかと思うと、ゾッとしますね。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁1880.jpeg
【柯潔九段(黒)vs李喆六段】
黒1は左上で整形する際に用いられる珍しい手法。
ただし、白2と手抜きされた際、左上での有力な後続手段がないように思えます。
白4から8と中央を厚くされながら▲を孤立されて黒作戦負けに見えますが・・・。
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2017年05月07日

第1回新奥杯世界囲碁オープン戦、準々決勝

第1回新奥杯世界囲碁オープン戦の準々決勝が行われました。
組み合わせは以下のようになりました。(左側が勝者)
柯潔九段ー連笑八段、白中押し勝ち
李喆六段ー檀嘯七段、黒中押し勝ち
彭立尭五段ー時越九段、黒半目勝ち
周睿羊九段ー申眞諝八段、黒中押し勝ち


囲碁AIが登場してから、人間界の碁が以前よりも柔軟になってきました。
大きな石でも全局的なリードのためなら、躊躇いなく捨てる様はまさに囲碁AI的な発想です。
数年前とは全く異なる碁に変容しており、進化のスピードの速さを改めて感じました。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁1867.jpeg
【連笑八段(黒)vs柯潔九段】
白1の打ち込みは相手の態度を見て、右辺と下辺のシノギ方を変える意図です。
一見、黒2から4と手厚く応じられて白収拾のつかない格好に見えますが、
柯潔九段の緩急激しい打ち回しで綺麗にまとめていきます。
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2017年05月05日

中国甲級リーグ、四日目

本日、中国甲級リーグの4戦目が行われました。
中韓の棋士は囲碁AIの手法を取り入れようと様々な手法を模索しています。
特に目立つ手法は、序盤早々に三々を占める手で不思議と勝率は悪くないようです。
練習碁でたくさん試し、少しでも囲碁AIの発想を自分の力に還元していきたいですね。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁1850.jpeg
【李東勲九段(黒)vs柯潔九段】
単に白1と三々に入るのが最近の手法。
黒の態度を見てから後の打ち方を決めようとするのが白の狙いです。
一見、奇抜な戦術に見えますが、先の展開を考えると黒の打ち方も悩ましい。
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2017年05月03日

中国甲級リーグ、三日目

本日、中国甲級リーグの三戦目が行われました。
今回は囲碁AIの手法はあまり用いられず、人間味ある碁が多い印象でした。
二戦目で大やけどをした棋士が多く、一局の命運を預けるまでには至らないと判断したようだ。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁1843.jpeg
【陳賢六段(黒)vs李維清四段】
白1の肩ツキは右辺を効率的に守る狙いです。
黒2、4と白の薄みを突くのに対し、白5が面白い返し技でした。
黒の応手次第で白AやBを使い分けられるため、黒の応手が難しくなっています。
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2017年04月27日

中国甲級リーグ、二日目

本日、中国甲級リーグの二日目が行われました。
今回も面白い変化満載でどの碁も見応えある戦術ばかりで非常に参考になります。
トップ棋士らが囲碁AIの手法を発展させ、新手法を次々に編み出す姿は流石だと感じました。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁1811.jpeg
【李喆六段(黒)vs李軒豪六段】
白1に黒2といきなり三々に入るのは驚きの手法です。
一見、白に厚みを与えて黒悪いように感じますが、白の態度に合わせて打つ高等戦術でした。
序盤早々、三々に入る戦術が打たれるのを見ると、碁は本当に革新し始めていると感じますね。
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2017年04月25日

中国甲級リーグ、初日

本日、中国甲級リーグが開幕しました。
初日から面白い変化や目新しい手法がたくさん現れており、どの碁も見応えある対局でした。
全ての対局を見た感じでは、碁の進化のスピードが以前の数倍以上早いように思えました。
囲碁AIの影響もあり、既に長い間打たれていた定石も大きく変わりつつあります。
時代に取り残されないためにも、世界戦の棋譜を見ることは重要になってきそうだ。
さて、対局を振り返っていきます。

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【牛雨田七段(黒)vs李世乭九段】
数年前まで、白1は小林流に対して白良くないとされてきました。
黒8となった時、▲が良い位置にあり白ツライ展開を強いられると考えられたからです。
しかし、囲碁AIの新手法が出現してから、白良しという声が徐々に増えてきています。
※▲があるとなぜ良いか、こちらの記事を参照ください。
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2017年04月23日

第7回中国姜堰黄竜士精鍛科技杯、第6・7戦目

本日、第7回中国姜堰黄竜士精鍛科技杯の4日目が行われました。
前半戦終了時の戦況を以下にまとめました。
日本:謝依旻六段、藤沢里菜三段
中国:於之瑩五段、李赫五段、魯佳二段
韓国:崔精七段、呉侑珍五段、呉政娥三段

また、本日の結果を以下にまとめました。(左側が勝者)
呉政娥三段(韓国)ー陸敏全三段(中国)、白1目半勝ち
呉政娥三段(韓国)ー向井千瑛五段(日本)、白中押し勝ち


大きな差がつかない状況で前半戦が終了しました。
6月3日から始まる後半戦は各国の主力が出てくるので、優勝争いが更に激しくなりそうです。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁1785.jpeg
【陸敏全三段(黒)vs呉政娥三段】
白1、3の両カカリに黒4と隅に受けるのが厳しい着想。
周囲に黒が控えている場合の強手で、白は直接戦うのは難しい局面です。
この戦型では、白5とツケてAの封鎖を狙うのが常套手段となります。
黒の勢力圏で簡単にサバキ形を許すと全局的に白悪くない展開になるため、黒容易ではない。
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