2017年01月26日

囲碁AIの不可解な変化(1)

Master以外の囲碁AIは変な癖や単純な死活ミスをする場合があります。
一時前より、読みの正確さは格段に上がったものの、今でも短所として残っているようです。
今回はその一部を紹介していきます。

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【実戦例:囲碁AIの読み落とし?】
黒番は日本の囲碁AI、DeepZenGoです。
東洋囲碁で多くの対局をこなしているZenですが、黒7の進行になると潰れる変化に進みます。
原因はわかりませんが、この形が決まると30目近いリードを築けるのでまず負けることはないでしょう。
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2017年01月25日

最強囲碁AI、Masterの棋譜解析(15)

Masterが打った60局中、2局でオペレーターによるクリックミスがあったそうです。
自分は勝率の高い手を選ぶ囲碁AIの特徴が表れていたのかと思っていたので吃驚しました。
ただ、ひどく悪い手とは思えないので、棋譜が汚れたなどの心配はないと思います。
さて、対局を振り返っていきます。

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【実戦図1:足早な序盤作戦】
黒番はMaster、白番は時越九段です。
黒8までは人間界でも打たれる布石の一つです。
両方のカカリを決めたので、白は上辺と下辺に占めても戦いを裂けにくい碁形となっています。
Masterがどのような構想を描くのか、注目していきます。
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2017年01月20日

最強囲碁AI、Masterの棋譜解析(14)

正月明けのプロ棋戦を見ると、多くの対局でMasterが用いた手法を採用していました。
しかし、最近になって冷静さを取り戻したのか、徐々に真似する棋士が減ってきているように見えます。
それだけMasterの打ち方で勝ち切るのは難しいということでしょうか。
さて、対局を振り返っていきます。

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【実戦図1:同様の布石】
黒番は安成浚六段、白番はMasterです。
黒9までの布石はこちらで紹介したものと全く同じ進行を辿っています。
上辺の黒陣は立派に見えますが、AI視点では上辺に手をかけ過ぎと見るのかもしれません。
ただ、どう手をつけるべきか難しいので、人間視点では良い勝負か黒良しと見るところでしょう。
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2017年01月18日

最強囲碁AI、Masterの棋譜解析(13)

将棋界はソフトの不正使用疑惑で大騒ぎになっています。
囲碁界でも起こり得ることだと思うので、様々なケースを想定する必要があるでしょう。
さて、対局を振り返っていきます。

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【実戦図1:偏り過ぎな布石】
黒番はMaster、白番は楊鼎新四段です。
白1、3を利かしてから、白5と左辺を占めて足早に展開します。
黒6の切りは白の手抜きを咎める好点の一つだが、白7に黒8と力を貯めたのに驚きました。
部分的には厚い手ですが、上辺に黒石が偏り過ぎている気がして黒良く見えません。
Masterはこの先どう打ち進めるのか注目です。
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2017年01月17日

最強囲碁AI、Masterの棋譜解析(12)

最近、強い囲碁AIが増えてきたように思えます。
以下に現在注目されている囲碁AIをまとめました。

英国:Master(AlphaGoの強化版、現在最強囲碁AIとして君臨)
日本:DeepZenGo(UEC杯出場、東洋囲碁に出現中)
中国:絶芸(別名:FineArtでTencentの囲碁AI、UEC杯出場)、刑天驪龍(野狐囲碁で出現中)
不明:Godmoves(Zenに早碁で三連勝の実績あり)

1年前は「囲碁AIがプロの領域に踏み入れるのに後5年はかかる」と言われてましたが、
現在では棋士と互角以上に戦える実力まで成長しており、勝てれば金星と思える時代となりました。
これからはAIと競うのではなく、どういう関係を築くべきか考える時期なのかもしれません。
さて、対局を振り返っていきます。

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【実戦図1:コスミツケの手法】
黒番はMaster、白番は姜東潤九段です。
黒2のコスミツケはMasterがよく用いている戦術の一つ。
見た目は白悪くないように見えますが、上辺の打ち方が難しくなっているため、白容易でないです。
(次図で一例を紹介します。)
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2017年01月16日

最強囲碁AI、Masterの棋譜解析(11)

先日行われた棋聖戦でMasterに似た手法を用いていました。
去年3月に行われたアルファ碁戦よりも信頼性が高いのか、多くの棋士が真似ているように見えます。
60戦の一つ一つにMasterの斬新な一面が表れているので、棋力関係なくぜひ並べてほしいですね。
ただし、囲碁AIを信用しすぎるのは危険ですから、常に疑いの目を持つことは必要でしょう。
さて、対局を振り返っていきます。

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【実戦図1:Master布石の挑戦】
黒番は金志錫九段、白番はMasterです。
黒3、5の構え方はMasterがよく用いている手法の一つ。
白6に黒7を利かしてから黒9とハサむのは、右上のシチョウ関係を考慮した打ち方です。
Masterがどのような構想でこの布石に対抗するか、注目です。
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2017年01月13日

最強囲碁AI、Masterの棋譜解析(10)

Masterの打ち方は呉清源九段や本因坊道策に似ている点があります。
現代碁は地を意識しすぎる余り、局地戦が多くなっている傾向です。
現状を打破する上でも、昔の碁を研究し直す必要があるかもしれません。
さて、対局を振り返っていきます。

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【実戦図1:面白い構想】
黒番は孟秦齢六段、白番はMasterです。
黒9まで、上辺の黒陣は立派な構えに見えます。
左上のシマリとの相性も良く、人間的には理想形に近い形でしょう。
そんな布石でも、Masterは独特な打ち回しで荒らしていきます。
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2017年01月12日

最強囲碁AI、Masterの棋譜解析(9)

昨日から囲碁界も電子機器の規制が始まりました。
近年、急速に囲碁AIが強くなっているため、将来的に生じる問題への対策を講じるのは当然です。
善し悪しを含めて、囲碁AIと人間がどう付き合っていくべきか、考えなければなりません。
さて、本局を振り返っていきましょう。

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【実戦図1:喧嘩小目の布石】
黒番はMaster、白番はjpgo01です。
黒1、3は喧嘩小目と言われる布陣です。
囲碁AIは要所を次々に占めることを得意とする打ち手なので、急戦の多い碁形を選ぶのは意外でした。
白8、10と左下隅にプレッシャーをかけられたので、人間なら守る思考に入るものです。
しかし、Masterは攻撃的な手段で白を力強く追及していきます。
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2017年01月11日

最強囲碁AI、Masterの棋譜解析(8)

最近の碁は持時間が短いこともあり、序盤は研究するのが必須でした。
しかし、Masterが大局観で勝つ方法を示したため、今までの考え方を見直す必要がありますね。
部分戦で一目でも得しようとすることより、もっと大切なことを見落としていたように思えるからです。
2017年は「何が正しいのか」自身を納得させられる答えを見出さなければならない年になるでしょう。
さて、対局を振り返っていきます。

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【実戦図1:珍しい打ち方】
黒番はMaster、白番は柁嘉熹九段です。
白5までの進行は人間界でもよく打たれる進行です。
ここで黒Aと右上を補強するのが無難であると言われていたが、Masterは黒6を選択する。
▲と広く構えているので、左上の黒陣を広げる価値は大きいと見ているようです。
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2017年01月10日

最強囲碁AI、Masterの棋譜解析(7)

本日行われた中国の名人戦準決勝は2局ともMasterの打ち方を用いていました。
研究をするよりも実戦投入して手応えを掴むということでしょうか。
大舞台でも新しい打ち方に挑戦する姿勢は見習わなくてはいけませんね。
さて、対局を振り返っていきます。

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【実戦図1:厚みの感覚】
黒番はMaster、白番は朴永訓九段です。
右下の厚みは立派なので、黒1と離して打つのが好感覚。
白2に黒Aと打ちたくなるが、黒3から5と厚みの働きを削ぐことを優先する。
Masterは厚みを無力化させる打ち方を好むようです。
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2017年01月09日

最強囲碁AI、Masterの棋譜解析(6)

Googleから以下の発表がありました。
「今回の60戦は非公式のテストで、今年中に通常時間の対局を企画する」
ネット碁で行われた対局は秒読30秒の早碁だったので、長時間の碁でどうなるか気になります。
時間が長ければ人間側のミスが減るので、今回よりも内容の濃い対局になることは間違いありません。
ただ、3月21日にワールド碁チャンピオンシップが開催されるので、4月以降にしてほしいですね。
さて、対局を振り返っていきます。

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【実戦図1:Master特有の布石】
黒番はMaster、白番は辜梓豪五段です。
Masterは黒5の二間シマリから黒7、9と肩ツく手法をよく用いています。
善し悪しは不明ですが、スケールの大きい構想を好んで打つ傾向にあるようです。
細かいところで最善を尽くすより、次々に要所を占める方が良いのかもしれません。
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2017年01月08日

最強囲碁AI、Masterの棋譜解析(5)

今回紹介する棋譜は、今まで悪いとされてきた変化を用いています。
Masterが示した変化に対して面白いと感じる棋士も多く、これから打たれるようになると思います。
局面の状況に応じて自由自在に打つ囲碁AIは、碁の奥深さを改めて示してくれたように感じます。
さて、対局を振り返っていきます。

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【実戦図1:新発想の打ち方】
黒番は江維傑九段、白番はMasterです。
黒8までの変化は「村正の妖刀」と言われる定石で人間界でもよく打たれます。
長い間、白Aとハネるのが当然だと思われていたが、Masterは新しい手法を示しました。
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2017年01月07日

最強囲碁AI、Masterの棋譜解析(4)

Masterと棋士の間には2~3子程の差があると言われています。
細かい碁もありますが、囲碁AIは以下の特性があるので、終盤に差がつまることはよくあります。
「囲碁AIは半目勝ちを目指すので、嫌味などを消して紛れる要素を消す特徴があります」
序盤中盤で大きな差がつくことが多く、碁の真理はそこに隠されているかもしれません。
さて、対局を振り返っていきましょう。

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【実戦図1:下辺の攻防】
黒番はMaster、白番は党毅飛九段です。
Masterは黒7と構えることが多く、棋士達がこの戦術を打つ姿をよく見かけるようになりました。
去年、アルファ碁の打ち方が流行したので、今年はこれが打たれるようになるかもしれませんね。
黒9まで、下辺の攻防でどちらが主導権を握れるかが序盤の焦点です。
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2017年01月06日

最強囲碁AI、Masterの棋譜解析(3)

柯潔九段はMasterに三連敗したこともあり、入院したそうです。
中国の名人戦準々決勝を欠席するなど、対局できる状態ではないということだろうか。
それだけ、Masterの打ち方に戦慄を覚えたのかもしれません。
さて、対局を振り返っていきます。

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【実戦図1:新鮮な感覚】
黒番がMaster、白番は古力九段です。
序盤早々驚かされたのが、黒7を利かして黒9に回る打ち方です。
左下の白は強いので形を決めやすい意味はありますが、中々こういった発想になりません。
状況次第で様々な手が生じる可能性があるので、普通は良くないとされているからです。
黒7と白8の交換を悪手にせずに打てるかが、序盤戦の見所です。
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2017年01月05日

最強囲碁AI、Masterの棋譜解析(2)

囲碁AIのMasterは筋の良い打ち方をするので、参考になります。(MasterはAlphaGoと確定)
一方、悪いと言われる打ち方を用いている対局もあるので、何が正しいか分からなくなることがあります。
2017年は定石や常識と思われたものを見直し、新しい可能性に挑戦する年になりそうですね。
さて、対局を見ていきましょう。
※1/6(8:49):参考図を3つ程追加しました。

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【実戦図1:三連星の布石】
黒番は古力九段、白番はMasterです。
黒5、7のカカリを利かしてから、黒9と三連星に構えるのは古力九段がよく用いる戦術。
白は上辺と下辺のどちらを割っても戦いは避けられないため、穏便に打ち進めるのが難しいです。
黒に模様を築かれるのは避けられず、白の大局観が試される序盤戦となっています。
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