2017年01月01日

謎の囲碁AI、GodMovesの棋譜分析(2)

前回はGodMovesの鋭い追及と素晴らしい大局観でZENを圧倒しました。
今回紹介する第2局の棋譜は、打ちこなすのが難しい戦術を用いています。
実戦例の少ない布石形でも、囲碁AIは強さを発揮できるか注目していきます。

囲碁998.jpeg
【実戦図1:天元の布石】
黒1から5は天元の布石で時々用いられる戦術。
しかし、天元を活かせないと一手パスになり兼ねないため、難しい布石の一つです。
GodMovesが臨機応変に打ち回せるかが勝負の分かれ目です。
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2016年12月31日

謎の囲碁AI、GodMovesの棋譜分析(1)

ネットで話題になっている謎のAI、GodMovesの棋譜3局を分析します。
対戦はKGSで行われ、日本ルールで持時間は30分+秒読み30秒。
GodMovesがAIだと言われる所以の理由は打つ手の速さです。
以下にZENとの対戦詳細をまとめました。(全てGodMovesの黒番)
第1局目:221手完黒中押し勝ち、消費時間8分37秒(一手2.3秒)
第2局目:173手完黒中押し勝ち、消費時間6分40秒(一手2.3秒)
第3局目:173手完黒中押し勝ち、消費時間7分37秒(一手2.6秒)


棋士でもZENを相手にするのに骨が折れるのに、GodMovesは一手3秒程で完勝しています。
3局の特徴として、ZENに厚みを与えないような打ち方をしている気がします。
ZENは模様をまとめる力が長けているので、有力な対策かもしれません。
さて、1局目を振り返っていきます。

囲碁989.jpeg
【実戦図1:よくある展開】
白1と黒2を交換して左下の黒を重くした後、白3とハサむのは序盤の常套手段。
黒4、6と地を稼ぎながら白を攻めるのもよく用いられる手法で、中国流定番の布石形です。
囲碁AIもこうした進行が無難であると見ているようですね。
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2016年12月16日

Googleが中国棋院に訪問

12月13日にGoogleの関係者(最高経営者と社長)が中国棋院に訪問したそうです。
一時前に「来年の初め頃にアルファ碁と人類の対決を企画している」とツイッターで公開されており、
今回の訪問から、中国棋院の棋士がアルファ碁の対戦相手として選ばれる可能性が高くなってきました。

なお、Googleは「ワールド碁チャンピオンシップ」への招待を受けていたが日程が合わないことから辞退。
柯潔九段も日程が厳しいことを理由に、中国国内で行われる代表戦に出場しないことを発表した。
アルファ碁vs柯潔九段に向けて準備をしているのでは?と想像してしまいます。

しかし、中国はGoogleを入れない処置をしていることから、様々な課題をクリアしなければなりません。
実現してほしい好カードなので、ぜひ実現してほしいところですね。
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2016年11月30日

井山六冠vsDeepZENGoの対決が決まる!!

日中韓の棋士と囲碁AIが参加する「ワールド碁チャンピオンシップ」の開催が決定されました。
現在公開されている情報の詳細を下記にまとめたのでご覧ください。

【日程】
2017年3月21~23日
【会場】
日本棋院関西総本部
【出場選手】
井山裕太六冠、DeepZENGo、中韓の棋士2名
【対戦規定】
・3回戦の総当たりリーグ戦
・持時間3時間、秒読み60秒(休憩なし)
・日本ルール(コミ6目半)、全て互先
【賞金額】
優勝:3000万円、準優勝:1000万円、3位と4位:500万円
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2016年11月24日

第2回囲碁電王戦第三局、「趙治勲の持ち味発揮」

本日、第2回囲碁電王戦第三局が行われました。
第二局で圧倒的な強さを見せたZENに趙治勲名誉名人がどう戦うのか注目されました。
序盤はZEN特有の打ち回しを見せたものの、大きな差が生じずに中盤戦を向える。
趙治勲は模様を荒らすために弱い石を作ったが、あっさり生きることに成功しヨセ勝負に突入。
最後は細かい手所でポイントを上げていった治勲が盤面十目有利の形勢を築き、中押し勝ちを収めた。

今回の三局を通して、ZENはプロと戦える実力を有していることが証明されました。
大まかに分けて以下の4つの長所短所があると思われます。
1、序盤の打ち方が卓越している。
2、優勢になると緩い手が時々出る。
3、捨て石を駆使して模様を築くのがうまい。
4、滅多に攻められる石ができることがない。

コンピューターが苦手とする読みの正確さが増せば、更なる成長を遂げるはずです。
ぜひ、次回もこのような企画をしてもらい、多くの方に囲碁というものを知ってもらいたいですね。
では本局を大雑把に振り返っていきます。

囲碁753.jpeg
【実戦図1:常識破壊の対応】
黒1、3に白4と受けたのが人間界ではほぼ見られない着想で驚愕でした。
白に弱い石がたくさんできてしまうので、もう少し軽く打つのが普通です。
もし、この打ち方が成功することになれば、碁の常識が変わってしまう重大な一局となりました。
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2016年11月21日

第2回囲碁電王戦第二局、「ZENの巧みな序盤戦術」

本日、第2回囲碁電王戦第二局が行われました。
第一局目を制した趙治勲名誉名人が連勝できるかもしれないという期待があったが、
序盤早々、ZENの巧みな打ち回しが光り、治勲は形勢を大きく引き離されていく。
特別な手を使ってないのにも関わらず、絶望的な局面に引きずり込むZENの強さは本物でした。
対戦成績を1-1に戻ったが、碁の内容的にはZENが優勢である時間が長い結果となっています。
趙治勲は本格的に対コンピューター戦の対策を急がれることになるだろう。
さて、本局を振り返っていきます。

囲碁740.jpeg
【実戦図1:ZENの手厚い着想】
黒番はZEN、白番は趙治勲名誉名人です。
黒1から5と石の調子で左辺の連絡を断ったのが好手でした。
白6に黒7と封鎖したのが冷静で、全局的に黒厚い碁形をとなり黒打ちやすいです。
結果的には、白6でAと打つ方が良かったかもしれないが、黒悪くない変化になると思います。
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2016年11月20日

第2回囲碁電王戦第一局、「趙治勲が人類の意地を見せる!」

本日、第2回囲碁電王戦第一局が行われました。
数日前の記者会見では、DeepZenGoはアルファ碁に近い実力であると発表されており、
対局が始まる前は、趙治勲名誉名人の勝利は絶望的であるかのように思われていた。

「対局内容」
対局始めはZEN特有の打ち回しで優勢を築かれ、治勲は厳しい状況に立たされたが、
中盤に入り、徐々にポイントを稼いで形勢不明に持ち込むことに成功する。
ZENの勝つ道はいくつかあったものの、終盤の緩い手を的確に咎めた治勲が逆転勝利を収めた。
第1局を敗北したZENですが、棋士と互角に戦えることがわかりました。
終盤のヨセで細かいミスはあったが、序盤では素晴らしい石運びを披露しています。
第2局でも独創的な打ち方が見れると思うので、明日の対局も見逃せませんね。
さて、本日行われた対局を振り返っていきましょう。

囲碁722.jpeg
【実戦図1:黒意欲的な布石】
黒番が趙治勲名誉名人、白番がコンピュータ囲碁のZENです。
黒1のカカリを利かして3と構えるのは時々見られる戦術で、左辺の戦いに強い特徴があります。
ただし、白に厚くされると構え自体が薄くなる短所もあるため、使いこなすのは大変です。
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2016年11月14日

アルファ碁同士の棋譜研究-第一局(17)

前回で黒からの様々な罠が仕掛けられた勝負手が飛んできました。
白はこの戦況をどう乗り越えるか、解説していきます。

囲碁662.jpeg
【第24譜(158ー161):最後の勝負所】
白158、160と左下の生きをはっきりさせ、左辺の黒に先制攻撃を仕掛けたのが好判断です。
黒161で簡単には左辺の黒は取れませんが、白は黒を取ろうとしているわけではありません。
先に左辺で得をしてから、右下の受けに回ろうというのが白の狙いです。
左辺の攻防でどちらが手番を取れるかが焦点となっています。
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2016年11月10日

趙治勲名誉名人vsコンピューター囲碁ZENが激突!!

本日行われたDeepZenGoプロジェクトの記者会見で、
「趙治勲名誉名人vsコンピューター囲碁ZENの対決」を企画していることを発表しました!
まずは、日程などの詳細情報をまとめたのでご覧ください。(特設ページはこちら

【日程・日時】
第一局 11月19日(土)=解説:一力遼七段、聞き手:万波菜穂三段、立会人:張栩九段
第二局 11月20日(日)=解説:高尾伸路名人、聞き手:吉原由香里六段、立会人:王銘琬九段
第三局 11月23日(水)=解説:井山裕太六冠、聞き手:吉原由香里六段、立会人:小林覚九段
それぞれ13時対局開始

【ルール】
・日本ルールで先番6目半コミ出し
・持時間2時間+秒読み60秒×3回
・ソフトの貸し出しは無し
・コンピューターのトラブルは立会人を呼び、臨機応変に対応
・人間は手合時計を使用、コンピューターはコンピューター内の時間を採用する。
 (コンピューター操作人が着手、手の入力するまでの時間はカウントされない)

【コンピューター性能】
台数:1台
CPU :E5-2699v4 ×2socket(44core 88thread 2.20GHz)
GPU :NVIDIA TITAN X(Pascal世代 3564コア)×4
ディスク:128GB SSD(OS起動用)+ 480GB SSD×2
メモリ :128GB
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2016年11月08日

人工知能との対戦再び!

アルファ碁を開発しているaja氏より、
「1年間の成長を皆さんに見てもらいたい。2017年始めに再び人類との対戦を検討している。」
といったメッセージがネット上に流されました。

Deepmind社などからも同じような情報が出ているので間違いないと思います。
2016年3月、李世乭九段に4-1で勝利したことにより、人工知能の強さを証明しています。
今回は1年間でどれくらい強くなっているかを示すものでなので、おそらく来年3月開催でしょうか。
対戦相手として、中国の柯潔九段、韓国の朴廷桓九段、日本の井山六冠が妥当でしょう。

また、明後日に日本のコンピューター囲碁のZENについて記者発表があります!
KGSで見てた限りでは、既にプロ級の実力を有しているように見えました。
今度行われる電聖戦では互先の手合いで行われるのではと思っています。

年末になって、コンピューター囲碁の動向が激しく動いています。
今からどのような形で人類との対戦がセッティングされるのかわくわくしますね。

「追記」
アルファ碁の対戦が行われる前に、アルファ碁の自己対戦を解説終わらせねばと思ってます。
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2016年11月04日

アルファ碁同士の棋譜研究-第一局(16)

前回で大きなフリカワリが起こり、盤面の戦況が複雑になってきました。
一時前は白悪くないと見れましたが、現在は形勢不明です。
中盤のねじり合いでコンピューターがどう戦っていくか、注目していきます。
※11/12:最後の変化図を差し替えました。

囲碁578.jpeg
【第23譜(153-157):高度な攻防戦】
黒153、155と黒三子を助け出した後、白Aと隅を生きずに白156と頑張ったのに驚きました。
確かに、黒156の切りを許すと黒の不安要素が右辺だけになるので、黒の追い上げが利く形になります。
左辺の黒を生かすこと自体は容易でしょうが、白Bに打たれると下辺が大きく荒れそうです。
黒は左辺も下辺の問題を解決するため、黒157と様子見をしたのが面白い手で白応手に困ってます。
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2016年10月29日

アルファ碁同士の棋譜研究-第一局(15)

前回で黒が白の間隙を突き、勝機を少しずつ手繰り寄せているように見えます。
白は黒の追撃にどう収束していくか、注目していきます。

囲碁459.jpeg
【第21譜(136-143):激しいフリカワリ】
黒のノゾキに受けていては白若干足りないので、白138から142と反発するのは必然。
黒143と中央の白を取った後、白はどの手を採用するかが焦点です。
Aが利いているので、次に黒Bのツケを打たれる右辺の黒を助け出されます。
かと言って、白が右辺の黒を取り切ろうと手を施すと黒Cで左下の白が飲み込まれてしまう。
見た目は白の得が大きいように見えるが、まだまだ先の見えない展開が続きそうです。

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2016年10月25日

アルファ碁同士の棋譜研究-第一局(14)

前回で白が不可解な様子見をしたことにより、黒にチャンスを与えたように見えます。
第一局は一手5秒の超早碁なので、正しい判断が下せなくなったのでしょうか。
中盤戦から疑問手が少しずつ現れ始めました。

囲碁435.jpeg
【第20譜(129-135):利かしのタイミング】
黒129と右下を守るのは要所で逃せません。
白130、132を利かしてから、白134と右辺を大きく荒らすことを目指します。
白は右辺を連打できましたが、黒の厚い場なので十分な戦果をあげることが難しいです。
黒135の利かしは危険なタイミングですが、打っておきたいところ。
理由は右辺の攻防である場所の黒石を捨てやすくなるからです。続きを読む
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2016年10月21日

アルファ碁同士の棋譜研究-第一局(13)

前回の折衝で勝負が決まりそうな局面になりましたが、黒の頑張りで混戦模様になっていきます。
黒がこの窮地をどう打開していくか解説していきます。

囲碁394.jpeg
【第17譜(117-121):犠牲の大きいシノギ】
右辺を荒らされては勝負にならないので、黒117と受けて頑張るところ。
白118で黒窮していそうですが、黒119の切り返しが好手で上辺の黒をシノギました。
しかし、中央の黒三子を抜かれるのがあまりにも大きく、白優勢は揺らいでないようです。

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2016年10月20日

囲碁界のコンピュータ対策は?

将棋界では竜王戦挑戦者となっていた三浦九段が将棋ソフトを使用した疑いで、
前代未聞の挑戦権剥奪、今年の棋戦出場停止処分となりました。
いずれ、囲碁ソフトも相当強くなるので早急な対応が必要と言えます。
そこで囲碁界の手合いはどのようになっているか調べてみました。

結論から言うと、やろうと思えば将棋界と同じ事態になることは避けられません。
早碁棋戦なら問題ありませんが、タイトル戦本戦になると持時間は5時間以上となります。
外出や電子機器も持ち運び可など、手合い中の拘束力はほぼないと言えるでしょう。

対策として、持時間を減らすことを将棋界でも提案されているようですが、
持時間を減らすと手合い料も比例して下がることが予想されます。
スポンサーは長時間の中で良い棋譜を作ってもらうことも期待しているはずなので当然でしょう。
単純に時間を減らせば良いというわけでもなさそうだと私は考えます。
やはり、外出禁止で電子機器は電源を切ってロッカーに入れるなど、拘束力を上げるしかなさそうです。
棋士にとってはストレスのかかる環境になることは避けられませんが致し方ないと思います。

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