2017年01月13日

最強囲碁AI、Masterの棋譜解析(10)

Masterの打ち方は呉清源九段や本因坊道策に似ている点があります。
現代碁は地を意識しすぎる余り、局地戦が多くなっている傾向です。
現状を打破する上でも、昔の碁を研究し直す必要があるかもしれません。
さて、対局を振り返っていきます。

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【実戦図1:面白い構想】
黒番は孟秦齢六段、白番はMasterです。
黒9まで、上辺の黒陣は立派な構えに見えます。
左上のシマリとの相性も良く、人間的には理想形に近い形でしょう。
そんな布石でも、Masterは独特な打ち回しで荒らしていきます。
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2017年01月12日

最強囲碁AI、Masterの棋譜解析(9)

昨日から囲碁界も電子機器の規制が始まりました。
近年、急速に囲碁AIが強くなっているため、将来的に生じる問題への対策を講じるのは当然です。
善し悪しを含めて、囲碁AIと人間がどう付き合っていくべきか、考えなければなりません。
さて、本局を振り返っていきましょう。

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【実戦図1:喧嘩小目の布石】
黒番はMaster、白番はjpgo01です。
黒1、3は喧嘩小目と言われる布陣です。
囲碁AIは要所を次々に占めることを得意とする打ち手なので、急戦の多い碁形を選ぶのは意外でした。
白8、10と左下隅にプレッシャーをかけられたので、人間なら守る思考に入るものです。
しかし、Masterは攻撃的な手段で白を力強く追及していきます。
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2017年01月11日

最強囲碁AI、Masterの棋譜解析(8)

最近の碁は持時間が短いこともあり、序盤は研究するのが必須でした。
しかし、Masterが大局観で勝つ方法を示したため、今までの考え方を見直す必要がありますね。
部分戦で一目でも得しようとすることより、もっと大切なことを見落としていたように思えるからです。
2017年は「何が正しいのか」自身を納得させられる答えを見出さなければならない年になるでしょう。
さて、対局を振り返っていきます。

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【実戦図1:珍しい打ち方】
黒番はMaster、白番は柁嘉熹九段です。
白5までの進行は人間界でもよく打たれる進行です。
ここで黒Aと右上を補強するのが無難であると言われていたが、Masterは黒6を選択する。
▲と広く構えているので、左上の黒陣を広げる価値は大きいと見ているようです。
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2017年01月10日

最強囲碁AI、Masterの棋譜解析(7)

本日行われた中国の名人戦準決勝は2局ともMasterの打ち方を用いていました。
研究をするよりも実戦投入して手応えを掴むということでしょうか。
大舞台でも新しい打ち方に挑戦する姿勢は見習わなくてはいけませんね。
さて、対局を振り返っていきます。

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【実戦図1:厚みの感覚】
黒番はMaster、白番は朴永訓九段です。
右下の厚みは立派なので、黒1と離して打つのが好感覚。
白2に黒Aと打ちたくなるが、黒3から5と厚みの働きを削ぐことを優先する。
Masterは厚みを無力化させる打ち方を好むようです。
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2017年01月09日

最強囲碁AI、Masterの棋譜解析(6)

Googleから以下の発表がありました。
「今回の60戦は非公式のテストで、今年中に通常時間の対局を企画する」
ネット碁で行われた対局は秒読30秒の早碁だったので、長時間の碁でどうなるか気になります。
時間が長ければ人間側のミスが減るので、今回よりも内容の濃い対局になることは間違いありません。
ただ、3月21日にワールド碁チャンピオンシップが開催されるので、4月以降にしてほしいですね。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁1065.jpeg
【実戦図1:Master特有の布石】
黒番はMaster、白番は辜梓豪五段です。
Masterは黒5の二間シマリから黒7、9と肩ツく手法をよく用いています。
善し悪しは不明ですが、スケールの大きい構想を好んで打つ傾向にあるようです。
細かいところで最善を尽くすより、次々に要所を占める方が良いのかもしれません。
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2017年01月08日

最強囲碁AI、Masterの棋譜解析(5)

今回紹介する棋譜は、今まで悪いとされてきた変化を用いています。
Masterが示した変化に対して面白いと感じる棋士も多く、これから打たれるようになると思います。
局面の状況に応じて自由自在に打つ囲碁AIは、碁の奥深さを改めて示してくれたように感じます。
さて、対局を振り返っていきます。

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【実戦図1:新発想の打ち方】
黒番は江維傑九段、白番はMasterです。
黒8までの変化は「村正の妖刀」と言われる定石で人間界でもよく打たれます。
長い間、白Aとハネるのが当然だと思われていたが、Masterは新しい手法を示しました。
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2017年01月07日

最強囲碁AI、Masterの棋譜解析(4)

Masterと棋士の間には2~3子程の差があると言われています。
細かい碁もありますが、囲碁AIは以下の特性があるので、終盤に差がつまることはよくあります。
「囲碁AIは半目勝ちを目指すので、嫌味などを消して紛れる要素を消す特徴があります」
序盤中盤で大きな差がつくことが多く、碁の真理はそこに隠されているかもしれません。
さて、対局を振り返っていきましょう。

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【実戦図1:下辺の攻防】
黒番はMaster、白番は党毅飛九段です。
Masterは黒7と構えることが多く、棋士達がこの戦術を打つ姿をよく見かけるようになりました。
去年、アルファ碁の打ち方が流行したので、今年はこれが打たれるようになるかもしれませんね。
黒9まで、下辺の攻防でどちらが主導権を握れるかが序盤の焦点です。
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2017年01月06日

最強囲碁AI、Masterの棋譜解析(3)

柯潔九段はMasterに三連敗したこともあり、入院したそうです。
中国の名人戦準々決勝を欠席するなど、対局できる状態ではないということだろうか。
それだけ、Masterの打ち方に戦慄を覚えたのかもしれません。
さて、対局を振り返っていきます。

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【実戦図1:新鮮な感覚】
黒番がMaster、白番は古力九段です。
序盤早々驚かされたのが、黒7を利かして黒9に回る打ち方です。
左下の白は強いので形を決めやすい意味はありますが、中々こういった発想になりません。
状況次第で様々な手が生じる可能性があるので、普通は良くないとされているからです。
黒7と白8の交換を悪手にせずに打てるかが、序盤戦の見所です。
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2017年01月05日

最強囲碁AI、Masterの棋譜解析(2)

囲碁AIのMasterは筋の良い打ち方をするので、参考になります。(MasterはAlphaGoと確定)
一方、悪いと言われる打ち方を用いている対局もあるので、何が正しいか分からなくなることがあります。
2017年は定石や常識と思われたものを見直し、新しい可能性に挑戦する年になりそうですね。
さて、対局を見ていきましょう。
※1/6(8:49):参考図を3つ程追加しました。

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【実戦図1:三連星の布石】
黒番は古力九段、白番はMasterです。
黒5、7のカカリを利かしてから、黒9と三連星に構えるのは古力九段がよく用いる戦術。
白は上辺と下辺のどちらを割っても戦いは避けられないため、穏便に打ち進めるのが難しいです。
黒に模様を築かれるのは避けられず、白の大局観が試される序盤戦となっています。
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2017年01月04日

最強囲碁AI、Masterの棋譜解析(1)

今回から最強囲碁AI「Master」の棋譜を見ていきます。
序盤は布石の見本のような打ち方をしますが、中盤以降の収束がすば抜けているように感じます。
級位者の方でも恐らく参考になると思うので、野狐囲碁から棋譜を得て棋譜並べすることを勧めます。
Masterの碁を一言で言い表すとするなら「美しい碁」というところでしょうか。
終盤も乱れる様子がなく、AIの弱点はほぼ消えていると見ていいでしょう。
さて、対局を振り返っていきます。

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【実戦図1:見慣れた布石】
黒番はMaster(囲碁AI)、白番はblack2012です。
黒7までの進行は今でもよく打たれる布石の一つです。
囲碁AI全般に言えることですが、序盤は特別な手を用いずに無難な手を打ち進めることが多いです。
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2017年01月03日

コンピューター囲碁の近況

ここ数カ月でコンピューター囲碁の動向が大きく変化しています。
今やトッププロでも勝つのが難しい、勝てれば金星といった状況となっています。
ただ、悲観的には思っていません。新たな可能性を示してくれるものだと考えています。
うまく付き合っていけば、互いに有益に働くはずです。
日本囲碁界は世界の流れに置いて行かれないよう、考えていかなければなりません。
さて、今日までに至るまでの流れを以下にまとめました。

野狐囲碁で現れた「絶芸」という中国AIはトッププロに互角に戦える力があり、
一躍有名な囲碁AIとして騒がれていました。

次に現れたのが「刑天」です。(これも中国AI)
絶芸の改良版と言われているだけあって、物凄い強さで周囲を驚かせました。
棋風は明るい打ち回しを得意としており、いつの間にか差が広がっている印象です。

そして、最近現れた「Master」という韓国AIに大きな衝撃が走っています。
東洋囲碁で30連勝を記録し、野狐囲碁でも今のところ負けなしです。
どれだけ強いか測りかねますが、刑天よりも強く見えますね。
巧みに厚みを築き、中盤で相手を押しつぶすような力強い打ち方に異次元の強さを感じます。
年始の仕事が落ち着き次第、Masterの碁を見ていこうかと思っています。
野狐囲碁では無料で誰でも棋譜を見れるので、ぜひ鑑賞してほしいです。
※追記(01/03、23:16):Masterはトッププロに対して、50連勝達成する(負けなし)
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2017年01月01日

謎の囲碁AI、GodMovesの棋譜分析(2)

前回はGodMovesの鋭い追及と素晴らしい大局観でZENを圧倒しました。
今回紹介する第2局の棋譜は、打ちこなすのが難しい戦術を用いています。
実戦例の少ない布石形でも、囲碁AIは強さを発揮できるか注目していきます。

囲碁998.jpeg
【実戦図1:天元の布石】
黒1から5は天元の布石で時々用いられる戦術。
しかし、天元を活かせないと一手パスになり兼ねないため、難しい布石の一つです。
GodMovesが臨機応変に打ち回せるかが勝負の分かれ目です。
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2016年12月31日

謎の囲碁AI、GodMovesの棋譜分析(1)

ネットで話題になっている謎のAI、GodMovesの棋譜3局を分析します。
対戦はKGSで行われ、日本ルールで持時間は30分+秒読み30秒。
GodMovesがAIだと言われる所以の理由は打つ手の速さです。
以下にZENとの対戦詳細をまとめました。(全てGodMovesの黒番)
第1局目:221手完黒中押し勝ち、消費時間8分37秒(一手2.3秒)
第2局目:173手完黒中押し勝ち、消費時間6分40秒(一手2.3秒)
第3局目:173手完黒中押し勝ち、消費時間7分37秒(一手2.6秒)


棋士でもZENを相手にするのに骨が折れるのに、GodMovesは一手3秒程で完勝しています。
3局の特徴として、ZENに厚みを与えないような打ち方をしている気がします。
ZENは模様をまとめる力が長けているので、有力な対策かもしれません。
さて、1局目を振り返っていきます。

囲碁989.jpeg
【実戦図1:よくある展開】
白1と黒2を交換して左下の黒を重くした後、白3とハサむのは序盤の常套手段。
黒4、6と地を稼ぎながら白を攻めるのもよく用いられる手法で、中国流定番の布石形です。
囲碁AIもこうした進行が無難であると見ているようですね。
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2016年12月16日

Googleが中国棋院に訪問

12月13日にGoogleの関係者(最高経営者と社長)が中国棋院に訪問したそうです。
一時前に「来年の初め頃にアルファ碁と人類の対決を企画している」とツイッターで公開されており、
今回の訪問から、中国棋院の棋士がアルファ碁の対戦相手として選ばれる可能性が高くなってきました。

なお、Googleは「ワールド碁チャンピオンシップ」への招待を受けていたが日程が合わないことから辞退。
柯潔九段も日程が厳しいことを理由に、中国国内で行われる代表戦に出場しないことを発表した。
アルファ碁vs柯潔九段に向けて準備をしているのでは?と想像してしまいます。

しかし、中国はGoogleを入れない処置をしていることから、様々な課題をクリアしなければなりません。
実現してほしい好カードなので、ぜひ実現してほしいところですね。
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2016年11月30日

井山六冠vsDeepZENGoの対決が決まる!!

日中韓の棋士と囲碁AIが参加する「ワールド碁チャンピオンシップ」の開催が決定されました。
現在公開されている情報の詳細を下記にまとめたのでご覧ください。

【日程】
2017年3月21~23日
【会場】
日本棋院関西総本部
【出場選手】
井山裕太六冠、DeepZENGo、中韓の棋士2名
【対戦規定】
・3回戦の総当たりリーグ戦
・持時間3時間、秒読み60秒(休憩なし)
・日本ルール(コミ6目半)、全て互先
【賞金額】
優勝:3000万円、準優勝:1000万円、3位と4位:500万円
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