2017年03月18日

第10回UEC杯初日

本日、第10回UEC杯が開幕しました。(本棋戦の詳細はこちら
初日は予選7回戦が行われ、上位16位のコンピューター囲碁が本戦トーナメントに駒を進める。
予選1位は絶芸(FineArt)、2位はDeepZenGoと優勝候補が上位を占める結果となりました。
野狐囲碁で中継された碁を見る限り、絶芸が群を抜いて強いという印象を受けました。
さて、今回は特に気になった変化を紹介していきます。

囲碁1603.jpeg
【実戦例1:新手法の踏み込み】
黒番はDeepZenGo、白番は絶芸です。
白1と黒2の交換するのは下辺の黒陣を固める悪手と言われてます。
しかし、白3から5と深く踏み込んだのが前例のない新手法で注目が集まりました。
自ら弱い石を作っているように見えるが、意外と粘りある形をしています。
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2017年03月16日

最強囲碁AI、Masterの棋譜解析(19)

3月18日に第10回UEC杯、3月21日にはワールド碁チャンピオンシップが始まります。
最近は囲碁AIの手法が流行する傾向なので、碁の打ち方がまた一つ生まれるかもしれません。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁1596.jpeg
【実戦図1:重くする手法】
黒番は元晟溱九段、白番はMasterです。
黒1に白2を利かしてから白4と守るのが機敏です。
上辺の黒は重いので黒Aなどと守る必要があり、白に手番を渡すことになりました。
囲碁AIは要所を占める技術が高いため、利かし一つにも気が抜けません。
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2017年03月08日

囲碁AIの状況まとめ

去年から飛躍的に囲碁AIの実力が伸びています。
ネット碁でも棋士相手に互角以上の戦績を出すなど、多くの囲碁ファンが注目しています。
最近、よく打っている姿を見る囲碁AIを以下にまとめました。

囲碁1531.jpeg
「絶芸(別名:FineArt)」
野狐囲碁というネット碁サイトで十段の称号を得たTencentの囲碁AIです。
30秒×3回以下の早碁では、世界のトップ棋士相手に勝率8割以上の化け物となっています。
しかし、60秒×3回の長い碁になると人間側のミスが減り、勝率は7割5分に落ち着く。
3月18日に行われる「第10回UEC杯」では優勝候補として挙げられている。
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2017年03月06日

囲碁AIの新手法?

囲碁AIは棋理に沿った手を打つことが多いので、奇抜な戦術を用いることは少ないです。
しかし、人間では考えづらい着想をすることもあり、研究すべき形がいくつかあります。
今回はその一部を紹介していきます。

囲碁1511.jpeg
【テーマ図:善悪不明の新手法】
黒1はこの布陣で用いられる有名な戦術です。
白6までの定型化された打ち方に対し、囲碁AIの絶芸は黒7と並ぶことが多いです。
地に辛く受けながら下辺にも働いた打ち方を目指す意欲的な手に見えます。
ただし、白AやBに突かれると黒の対応が難しいため、善悪不明です。
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2017年03月04日

野狐囲碁で囲碁AI・絶芸が十段に昇格

ネット碁サイトの野狐囲碁で囲碁AIの絶芸が十段になりました。
ここ最近、棋士相手に80%以上の勝率を叩き出しており、誰しも認める実力となってます。
以下の画像を見てご確認ください。(3/4、10:30現在の表示状況)

囲碁1488.jpeg

また、九段で20戦18勝すると十段に上がれる表示(レーティングルール)がされてますが、
棋士や九段の方のID情報を見ても、それに対応した表示がなされていません。
今のところは十段に自力で上がることはできないようです。
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2017年02月24日

家庭に一台、囲碁AI「Leela」

ベルギーの囲碁・チェスAI開発者であるジャン・カルロ・パスカットさんが、
囲碁AI「Leela(リーラ)」を無料でダウンロードできる形でこちらに公開しました。
序盤から終盤まで物凄く強いので、腕自慢の方はぜひ挑戦してみてください。

個人的には対局ができるというよりは検討機能が面白いと感じました。
無料とは思えない機能があり、しばらく飽きずに遊べそうです。
以下は最低限知っておいた方が良い使い方を簡単にまとめました。

囲碁1420.jpeg
まず、対局する方法を説明します。
上にある「File」→「New Game」を押すとこの画面が出てきます。
左下の「Time for game」はコンピューターの最大考慮時間の設定です。
短い時間でバシバシ打ちたい方は5~10の間で打つとストレスなく打てます。
右側の「Engine max level」は単純に言えば棋力設定のようなものです。
100~500なら級位者から有段者の方でも楽しく打てるかもしれません。
設定を終えたら、左下の「OK」を押せば対局が始まります。
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2017年02月23日

野狐囲碁にZENが登場

今日の昼頃、日本の囲碁AIであるZENが出現しました。
日中韓の棋士と16局打っていましたが、15勝1敗と圧倒的な強さを見せています。
全ての対局を見る限り、以前よりも手厚い打ち方になっているように感じます。
今回はZENの手厚さが進化したと思えた対局の一部を紹介します。

囲碁1412.jpeg
【実戦図:本格的な手厚さ】
黒番は党毅飛九段、白番はZENです。
黒1、3は白の発展性を制限しながら中央の模様を広げる好手。
しかし、白4のヒラキが全局的なバランスを保つ面白い手でした。
左辺と上辺は大きな黒地になる可能性があり、左上の利かし方を難しくする意図があります。
黒5は好点に見えますが、この手を咎める手厚い好手があり、盤上の風景が一転します。
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2017年02月18日

最強囲碁AI、Masterの棋譜解析(18)

今回紹介する棋譜は全60局の中でも屈指の熱戦です。
序盤から終盤まではっきり緩んだ手がなく、Masterの強さを引き出した一局となりました。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁1368.jpeg
【実戦図1:アルファ碁の中国流】
黒番は朴廷桓九段、白番はMasterです。
黒1から5と白陣を割って全局的なバランスを取るのがアルファ碁流。
白Aは左下の黒を攻めながら模様を削減する好点に見えますが、Masterは白6を選択します。
長い間、直接荒らしにいくのは良くないと言われていただけに衝撃が走りました。
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2017年02月08日

最強囲碁AI、Masterの棋譜解析(17)

Masterが用いた戦術を実戦で活用しようとする方もいますが、悉く失敗しているように感じます。
要因の一つは、簡単なように見えて枝葉を辿ると高度な発想と判断に基づいて打たれているからです。
そこで、次回以降にMasterの手法、発想の応用法を簡単に解説していく予定です。
さて、対局を振り返っていきます。

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【実戦図1:珍しいノゾキ】
黒番がMaster、白番は檀嘯七段です。
黒1のハサミに白2と反撃するのは積極的な戦術。
白は左下の黒を攻める狙いを残し、下辺の戦いで有利に打ち進めようとしています。
しかし、黒3のノゾキを一本決めてから黒5に回ったのが斬新な着想でした。
普通は味消しで黒良くないですが、下辺の白を孤立させる働きがあり善悪不明です。
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2017年02月02日

囲碁AIとの最終決戦予告

中国のサイトで以下の情報が流れて大騒ぎになっています。
・4月に烏鎮でアルファ碁vs柯潔九段と三番勝負
・日中韓3チームとの相談碁(日韓は未確定)
・今回のイベント終了後、アルファ碁の開発終了しオープンソースになる模様
・20日前後に記者会見を開き、正式発表する


ただし、「~かもしれない」「~だろう」という曖昧な表現が多いため、信憑性が薄い模様。
2/20前後に何かしらの発表があるそうなので、その情報を待つほかないのが現状です。

囲碁を通して、様々な課題と利点が見つかったのは大きな成果だったと思います。
これからはAIとどう付き合っていくべきか考える時代になりそうです。
使い方次第では簡単に黒く染まってしまうので、気をつけなければなりません。
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2017年01月28日

最強囲碁AI、Masterの棋譜解析(16)

Masterの碁に共感できる方が多いのは、各々が目指していた理想を体現しているからだと思います。
現時点では読みも形勢判断の力も追いついていないため、Masterの打ち方を習得するのは大変です。
しかし、棋士達の研鑽により体系化される日がくると思うので、楽しみに待っています。
さて、対局を振り返っていきましょう。

囲碁1226.jpeg
【実戦図1:隅の攻防戦】
黒番は連笑八段、白番はMasterです。
黒1、3は下辺の白陣を割り、局面全体を細分化する狙いがあります。
穏やかな進行になると思われた矢先、白6のツケが珍しい手法で局面が一転する。
序盤から形が決まってしまうので、勿体無いような気がしますがAIにはそうした躊躇がありません。
過程よりも結果を重視するAIらしい手と言えそうです。
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2017年01月27日

囲碁AIの不可解な変化(2)

前回に引き続き、囲碁AIが苦手とする変化を紹介します。
棋士とも対等以上に渡り合う実力があるにも関わらず、単純な読み違いが起こるのは意外です。
人間なら途中で気づけば軌道修正するものですが、囲碁AIにはそれが見られません。
臨機応変に対応する力はまだまだ未熟なのかもしれませんね。

囲碁1219.jpeg
【実戦例:ヒラキ過ぎの攻防】
白番が中国の囲碁AI、驪龍です。
野狐囲碁で中韓のトップ棋士を次々に薙ぎ倒している囲碁AIで、Masterに次ぐAIと見ていいでしょう。
ただし、今回紹介する変化に進むと八割方同じ進行になるので、優勢を築くヒントになるかもしれません。
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2017年01月26日

囲碁AIの不可解な変化(1)

Master以外の囲碁AIは変な癖や単純な死活ミスをする場合があります。
一時前より、読みの正確さは格段に上がったものの、今でも短所として残っているようです。
今回はその一部を紹介していきます。

囲碁1212.jpeg
【実戦例:囲碁AIの読み落とし?】
黒番は日本の囲碁AI、DeepZenGoです。
東洋囲碁で多くの対局をこなしているZenですが、黒7の進行になると潰れる変化に進みます。
原因はわかりませんが、この形が決まると30目近いリードを築けるのでまず負けることはないでしょう。
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2017年01月25日

最強囲碁AI、Masterの棋譜解析(15)

Masterが打った60局中、2局でオペレーターによるクリックミスがあったそうです。
自分は勝率の高い手を選ぶ囲碁AIの特徴が表れていたのかと思っていたので吃驚しました。
ただ、ひどく悪い手とは思えないので、棋譜が汚れたなどの心配はないと思います。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁1187.jpeg
【実戦図1:足早な序盤作戦】
黒番はMaster、白番は時越九段です。
黒8までは人間界でも打たれる布石の一つです。
両方のカカリを決めたので、白は上辺と下辺に占めても戦いを裂けにくい碁形となっています。
Masterがどのような構想を描くのか、注目していきます。
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2017年01月20日

最強囲碁AI、Masterの棋譜解析(14)

正月明けのプロ棋戦を見ると、多くの対局でMasterが用いた手法を採用していました。
しかし、最近になって冷静さを取り戻したのか、徐々に真似する棋士が減ってきているように見えます。
それだけMasterの打ち方で勝ち切るのは難しいということでしょうか。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁1180.jpeg
【実戦図1:同様の布石】
黒番は安成浚六段、白番はMasterです。
黒9までの布石はこちらで紹介したものと全く同じ進行を辿っています。
上辺の黒陣は立派に見えますが、AI視点では上辺に手をかけ過ぎと見るのかもしれません。
ただ、どう手をつけるべきか難しいので、人間視点では良い勝負か黒良しと見るところでしょう。
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