2017年08月18日

第1回世界電脳囲碁オープン戦最終日

本日、第1回世界電脳囲碁オープン戦のエキシビジョンマッチが行われました。
中国棋士の孔傑九段が準優勝のCGIとタッグを組み、優勝したDeepZenGoに挑みました。
人間と囲碁AIが組めば、囲碁AI単体よりも強くなる話があり本局も注目されたが、
DeepZenGoの確かな収束の前に成す術なく、無念の投了となりました。


中国ルールで、持時間は2時間30分+秒読み30秒5回と長時間の対局だったからか、
DeepZenGoの持ち味が十二分に発揮され、ミスはほとんどない内容でした。
以前までは、致命的な弱点が露出していただけに大きな進歩を感じます。

他の囲碁AIに比べ、DeepZenGoの打ち方は人間に近いため、非常に参考になります。
ぜひ、皆さんもネット対局「幽玄の間」で行われているZenの対局をご覧ください。
さて、対局を振り返っていきます。

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【実戦図:大模様作戦】
黒番はDeepZenGo、白番は孔傑九段+CGIです。
白1に黒2、4と受けるのが最近流行の打ち方の一つ。
局面は広いですが、白5に黒6の打ち込みから積極的に局面を動かしていきます。
白はAの狙いを残したいので、必要以上に黒を強化したくないところです。
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2017年08月17日

第1回世界電脳囲碁オープン戦二日目

本日、第1回世界電脳囲碁オープン戦の決勝トーナメントが行われました。
日本のDeepZenGoが韓国のDolBaram、中国のFineArt、台湾のCGIを破り、初優勝を飾った。
アルファ碁の論文を基に囲碁AIが強化される中、Zenは特有の持ち味を残す道を選んでます。
独自の路線を貫き通したZenチームの努力が報われたと言えるでしょう。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁2495.jpeg
【実戦図1:手厚い構想力】
黒番はFineArt、白番はDeepZenGoです。
白1の裏ガカリは人間界でも少しずつ打たれるようになりました。
白3に黒Aなら穏やかですが、実戦は黒4と一杯に詰めて右辺の攻めを狙います。
白5は下辺の黒陣を制限しつつ、右辺の補強を兼ねたバランスの取れた手です。
石の強弱に細心の注意を払った面白い打ち回しです。
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2017年08月16日

第1回世界電脳囲碁オープン戦初日

本日、第1回世界電脳囲碁オープン戦が中国・内モンゴル自治区で開幕しました。
初日はスイス方式の5回戦を行い、上位8チームが明日の決勝トーナメントに駒を進める。
中国ルール(コミ7目半)、持時間30分切れ負けで行われました。
以下に対戦成績をまとめたの参照ください。(左側が勝者)

1位:CGI(台湾)―5勝0敗
2位:FineArt(中国)―4勝1敗
3位:DeepZenGo(日本)―3勝2敗
4位:Tianrang(中国)―3勝2敗
5位:Rayn(日本)―3勝2敗
6位:DolBaram(韓国)―3勝2敗
7位:AQ(日本)―2勝3敗
8位:Leela(ベルギー)―2勝3敗
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9位:Golois(フランス)―2勝3敗
10位:Abacus(中国)―2勝3敗
11位:MuGo(アメリカ)―1勝4敗
12位:OracleWQ(中国)―0勝5敗


一位のCGIは優勝候補のFineArtとDeepZenGoを破っての全勝通過です。
碁の内容も充実しており、決勝トーナメントでの活躍も期待できます。
明日は持時間30分+秒読み20秒×10回なので、持時間が増えた影響がどこまで出るか注目です。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁2490.jpeg
【実戦図1:軽快な石運び】
黒番がDeepZenGo、白番がCGIです。
白1、3と右下隅に様子見をしたのが面白い。
黒4は手堅く受けられても、白Aから生きる手を残せたので白十分な戦果です。
通常、白5は右下を固めるお手伝いになりますが、今は手残りなので黒の応手は悩ましい。
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2017年07月14日

囲碁AIの置碁対局

野狐囲碁で囲碁AI・絶芸の別バージョンのtsx(踏沙行)が置き碁対局を始めました。
棋士が二子置いた棋譜もあったが、囲碁AIが難なく勝利を収めており衝撃を受けた次第です。
アマの9段で二、三子で勝つ方も少なからずいましたが、どれも相当怪しい勝負でした。
持時間は人間側が設定できるのか、早碁から長い碁まで幅広く設定できる模様。
※現在確認できている最大の置石は9段に四子局で、囲碁AIが勝利。

これからは囲碁AIが人間を高める立ち位置になりそうです。
アルファ碁を含めて、囲碁AIは少しばかり弱点を内包されているため、
終盤まで粘ったり、死活勝負に持ち込む対AI戦術で勝負する方も増えるでしょう。
ただ、練習の場で弱点を活用して勝ったとしても、得られるものは少ないはずです。
大切なのは、勝ち負けでなく棋力向上に役立てられるかなので、目的を履き違えていけない。
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2017年07月10日

アルファ碁自己対戦棋譜解析(23)

最近、中国の囲碁放送でアルファ碁自己対戦50局以外の棋譜解説が行われました。
公開された場所はこちらで、一局ずつ丁寧に解説されているので興味ある方はご覧ください。
ただし、一局につき約2時間ある上に全て中国語解説なため、結構な根気を要します。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁2270.jpeg
【実戦図:アルファ碁ワールド】
そろそろ見慣れたかと思いますが、当然のように白6と三々に入っていきます。
アルファ碁の自己対戦50局を見返しても三々に入らない方が珍しいくらいの頻度です。
ただ、一年前に打った手法を打たなくなったので、今の手法もいずれ廃れるのでしょう。
未開の戦術があると思うと、これからの展望に期待が膨らみますね。
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2017年07月06日

アルファ碁自己対戦棋譜解析(22)

第22局はこちらで紹介した棋譜と全く同じ布石を打っています。
囲碁AIの自己対戦では、何度も同型の形を繰り返して経験値を貯めていきます。
人間的には非効率的な方法に思えますが、膨大な計算能力があるので成立します。
これからは囲碁AIに計算分野を任せ、人間は良い手段を抽出する流れになりそうです。
さて、対局を振り返っていきます。

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【実戦図1:力強いゾーンプレス】
黒5までは前回と同様な進行となっています。
一見すると、右辺の黒陣が深いため、黒打ちやすい碁形に見えます。
しかし、アルファ碁は右辺がどんなに固まろうとも、白6と隅に入る傾向は変わりません。
序盤早々、星に対して三々に入る手法が有力であると認識している証拠でしょう。
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2017年07月04日

アルファ碁自己対戦棋譜解析(21)

今日も囲碁AIの対局を観戦していると、なんと井山6冠がZENと対戦してました。
序盤は均衡を保っていたものの、中盤でZENが攻勢に転じて井山6冠の大石を仕留めます。
ZENは終盤で緩む短所はありますが、他の囲碁AIよりも攻めが鋭いように思えます。
今なら幽玄の間に棋譜が残っているので、ぜひご覧ください。
さて、対局を振り返っていきます。

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【実戦図:絶妙なバランス感覚】
黒5を利かしてから黒7と構えるのがアルファ碁流。
人間の場合は右下に模様を張ることを意識して、黒5ではAと打つことがほとんどです。
右下の小目を拠点に勢力圏を広げる方がより深い模様を築けると考えているからです。
白8は右下の黒陣を固めてしまいますが、模様はいくらでも荒らせると見ているようです。
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2017年07月03日

アルファ碁自己対戦棋譜解析(20)

野狐囲碁では中国の囲碁AI・驪竜が棋士達と打ち始めています。
秒読み60秒×3回で十分時間を設けているにも関わらず、次々に倒されて行っています。
ただ、今日の対局で両コウ生きの形を序盤から終盤にかけて抜き続ける現象が起こりました。
人間にはほぼ負けない囲碁AIですが、時折信じられない誤認識が発生するようです。
強さは十分ですが、少なからず改善すべき点はあるように思えます。
さて、対局を振り返っていきます。

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【実戦図:アルファ碁流の布石】
白1に黒2、4と受けるのはアルファ碁初の手法です。
右下の白陣を固めてしまうが、黒6から8と白の発展性を削げば黒十分と見ているようです。
確かに白Aを見られても、全局的に白石を下辺に偏らせた打ち方は黒悪くないように見えます。
今回は左辺と上辺が同価値に近いので、黒10の三々は有力そうですが、使い方にはご注意を。
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2017年06月29日

アルファ碁自己対戦棋譜解析(19)

囲碁AIにより、今まで常識とされた打ち方が否定されるものも増えてきました。
ただし、囲碁AIの手法を真似ても勝率が上がる訳ではないことを留意しなければなりません。
なぜなら、人間的な発想でない石の流れで一局を打ち切るのは想像以上に大変だからです。
大切なのは、分からないことを探し、自分なりの答えを見つけることだと私が考えている。
さて、対局を振り返っていきます。(6/30 23:59、一部図を修正しました)

囲碁2220.jpeg
【実戦図:考え方の変異】
黒5に白6と構えるのは黒Aのツケが残るため、白甘いと言われていました。
黒7と三々に入るのも以前では考えられない手で、根本的に碁の考え方が違うようです。
自己対戦50局を見た印象は、相手に価値の高い場を与えない工夫している感じでした。
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2017年06月28日

アルファ碁自己対戦棋譜解析(18)

囲碁AIの打ち方が主流となっていましたが、少しずつ落ち着いてきたように思えます。
一時的に良くなっても、先の打ち方が正確に打てる前提での戦術はやはり不安になります。
人間はそれぞれの棋風にあったものを選ばないと勝利に結びつきにくいようです。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁2197.jpeg
【実戦図:玄妙な打ち回し】
白1と黒2を交換してから白3とツケるのがアルファ碁流の打ち方。
右下のように狭いシマリの場合は、すぐに利かしていくのが囲碁AIの特徴です。
人間的には序盤から形を決めるのは勿体ないように思えるため、中々真似できません。
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2017年06月27日

アルファ碁自己対戦棋譜解析(17)

今日は野狐囲碁で囲碁AIの絶芸に古力九段、柁嘉熹九段、檀嘯八段が相談碁で挑んでました。
一局を通して絶芸の大局観が光る進行で、中盤以降の厚みの使い方が非常に参考になります。
焦らずにじわじわと追い詰めていって十分打てると判断できる強さが羨ましく思えます。
野狐囲碁で「FineArt」と検索すれば棋譜を見れるので、ぜひ見てください。
さて、対局を振り返っていきます。

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【実戦図1:囲碁AIらしいサバキ】
白1、3と右下の黒を厳しく攻めるのは常套手段です。
一見、黒4から6と自身を補強しながら右辺の白を逆襲して黒好調な展開に見えます。
しかし、アルファ碁は人間では思いつかない手法で右辺をサバいて局面を打開していきます。
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2017年06月16日

アルファ碁自己対戦棋譜解析(16)

第16局の中盤は人間離れした応酬があり、正直何をやっているかサッパリわかりません。
仮に人間が現代よりずっと強くなったとしても、このような碁を打つか怪しいものです。
囲碁AIが強いことは周知の事実だが、正しい進化を遂げているのか疑問に感じます。
さて、対局を振り返っていきます。

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【実戦図1:不発の三々手法】
白1に黒2と受けるのがアルファ碁特有の受け方です。
Aが残る短所はありますが、少しでも足早に展開しようという意図を感じ取れます。
黒6もアルファ碁が得意とする戦術だが、現局面では効果的でなかったようです。
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2017年06月15日

アルファ碁自己対戦棋譜解析(15)

遂にアルファ碁の自己対戦第15局目となりました。
多くの特徴が既に現れていますが、まだまだ紹介できていない面白い手が沢山あります。
本局も囲碁AIの特徴が現れており、碁の打ち方はこうあるべきなのかと考えさせられます。
さて、対局を振り返っていきます。

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【実戦図:独特な打ち回し】
アルファ碁は黒1から白6と形を決めるのを好んでいるようです。
元々、囲碁AIは手順の長い読みに苦手な側面があり、複雑な定石を選ぶのは稀です。
ただ、そんな囲碁AIが黒7、9のような相手に響く手を選ぶ特徴があるのは不思議ですね。
先を読まずとも、膨大な自己学習により、一手毎の善悪を正確に判断ができるのでしょう。
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2017年06月14日

アルファ碁自己対戦棋譜解析(14)

アルファ碁の自己対戦を見ていると、様子見に対して素直に受けることが少ないです。
局面全体を最大限に使うのを重視しているようで、スピード重視の打ち方に思えます。
人間は過程や部分的な損得を大切するため、のびのびと打てていないのかもしれません。
さて、対局を振り返っていきます。

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【実戦図:両カカリの攻防戦】
黒1に手抜いて白2と右下を連打することを選択します。
黒は右下で稼がれた以上の利益を求めるため、黒3と両カカリに回るのは当然の態度。
白4、6に黒7が人間界もよく打たれる手法で、白に迫りながら地を稼ぐ特徴があります。
左上の攻防は黒一手多い状況なので、黒は大きな戦果を求められます。
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2017年06月13日

アルファ碁自己対戦棋譜解析(13)

第13局はアルファ碁の巧みな技が光った一局と言えるでしょう。
囲碁AIはコウなどが絡む複雑な戦いを苦手としていたが、アルファ碁はコウの活用がうまい。
本局で紹介する戦いの呼吸は参考になると共に、コウ争いのコツを示しているように感じます。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁2110.jpeg
【実戦図1:巧みな立ち回り】
黒1のカカリは意欲的な打ち方です。
右下の黒が治まった後に、黒Aと右下の白に働きかけながら右辺の黒陣拡大を狙っています。
白2は穏やかな手で、黒を攻めるというよりは下辺を割ることを重視しています。
黒7まで、無難な序盤戦となりましたが、次の一手から局面が大きく動きます。
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