2017年07月10日

アルファ碁自己対戦棋譜解析(23)

最近、中国の囲碁放送でアルファ碁自己対戦50局以外の棋譜解説が行われました。
公開された場所はこちらで、一局ずつ丁寧に解説されているので興味ある方はご覧ください。
ただし、一局につき約2時間ある上に全て中国語解説なため、結構な根気を要します。
さて、対局を振り返っていきます。

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【実戦図:アルファ碁ワールド】
そろそろ見慣れたかと思いますが、当然のように白6と三々に入っていきます。
アルファ碁の自己対戦50局を見返しても三々に入らない方が珍しいくらいの頻度です。
ただ、一年前に打った手法を打たなくなったので、今の手法もいずれ廃れるのでしょう。
未開の戦術があると思うと、これからの展望に期待が膨らみますね。

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黒7、9と受けるのが最近の主流となっています。
理由の一つは、白12となった瞬間にA~Cの選択肢を黒番が持てるからです。
局面に応じて使い分けることができれば、白の三々手法を攻略する糸口になり得ます。
黒13は相手の応手を見て、右上と左下の決め方を変える高等戦術ですが、やり過ぎに見えます。

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白14から18と二段バネで応じるのが好判断。
黒は上辺を白に厚くされると、白Aの切りが厳しくなるので・・・。

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黒19、21と上辺に対して厚く打つのは仕方ないところ。
白Aの狙いを防げましたが、白Bが残っているため上辺に黒地が見込めず、黒イマイチな展開。
この図になるのであれば、黒が左上隅に入った手は良くなかったように思えます。

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黒25、27と右下一帯に模様を築こうとするのに、白28のツケが手筋。
続いて、黒Aと出ていくのは白Bと外に出ていく調子を与えるので打ちにくいです。
他の囲碁AIは露骨な手が多い印象ですが、アルファ碁はこうした手筋も打てるようです。

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白30に黒31と強気に受けたのが頑張り過ぎだったように見えます。
白32から36と右下一帯の模様を消しつつ、AとBが見合いで黒の応手が悩ましいです。

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▲の配石を活かすために黒37と左辺を固めるも、白38と下辺を消されるのが黒ツライ。
下辺の黒を補強する黒39は必要だが、白40と隅を荒らすのが名調子で白打ちやすくなりました。

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黒41では42と押さえ込み、右辺の黒模様を勝負するのが人間的な発想です。
ただ、囲碁AI全般に言えることは一本調子になる展開を極力避けているように感じます。
黒47に白48と受けたので、黒Aの封鎖が成立して意図した進行になりそうだったが・・・。

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黒49と切りを入れたのは驚きましたね。
黒51で封鎖できるが、白Aと抜かれると隅の眼形が厚くなるため、多くの場合は黒損です。
白は受ける必要はないため、白52から54と地を稼いで要所を次々に占めていきます。

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黒57は苦心の様子見です。
白58と下辺を繋げられて黒損したように見えるが、左下の白が重くなったので黒Aが利きです。
そうは言っても、右辺は白Bのトビ込みもあるなど大きな黒地はつきにくく白優勢でしょう。

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黒63と白64の交換は相場ですが、黒65を見て相当黒苦しい展開だと見て取れます。
白Aを緩和しながら右辺を黒地にしようとする欲張りな手で、発想自体は面白いですね。
ただ、黒は至る所が薄いため、右辺が全て黒地になることはありません。

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白66と踏み込んだのが決め手です。
黒67と分断されても、白68から70の切りが先手で決まり、AやBの利きや狙いが生じます。
これほど生きる手がかりを作られては白を仕留めるのが難しく、白勝勢となりました。
結果、白中押し勝ち。

「編集後記」
これまで自己対戦を見てきましたが、アルファ碁の打ち手にも疑問や違和感を覚えたので、
囲碁AIの手に慣れたというか、自分の考えを持って否定できるようになってきました。
ということもあって、後27局残っていますが、残りは個々人で見て頂ければと思います。
明日からは人間の棋譜やミニ中国流の基礎などを解説していこうかなと考えています。
posted by okao at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | コンピューター囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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