2017年06月20日

第3回夢百合杯世界オープン戦64強戦(2)

前回はZENの対局を丁寧に見たので、今回は人間の棋譜を確認していきます。
どの碁を見ても、少なからず囲碁AIの影響を受けているような一面を感じます。
囲碁AIの発想を意図的に実戦で用いて、打ち筋の呼吸を直に掴もうとしているからでしょう。
分からないことだらけですが、それでも新手法を取り入れようとする貪欲さは流石ですね。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁2156.jpeg
【王昊洋六段(黒)vs申真諝八段】
白1、3の形はアルファ碁の自己対戦に似たような形があります。(こちらを参照)
一昔前は小目に対して、白3と直接ツケる手はほぼ考えられませんでした。
ただ、黒の勢力圏を消す上では十分あり得る手で応用の利く戦術の一つだと思います。
現局面は白Aの利きを見られているため、黒も細心の注意を払って応じなくてはなりません。

囲碁2158.jpeg
黒4から8は手堅い受け方です。
白9、11と上辺を押さえ込まれるように見えたが、黒12の反発が好手でした。
周囲の黒が厚い格好なので、白13のハネに黒14と強く戦える黒の自慢です。
白は上辺と右辺の両方を面倒見なくてはならず、白ツライ展開となりました。
結果、黒中押し勝ち。

囲碁2159.jpeg
【朴永訓九段(黒)vs李必奇三段】
黒2と押さえ込むのは方向違いに見えるが、人間界でも受け入れられるようになりました。
簡単に説明すると、上辺は白地がつきにくいが黒地は大いに期待できる場になります。
ただ、朴永訓九段は黒6、8と強引に封鎖するのを狙っていたようです。
白Aの傷が気になるため、黒良くないとされた手法ですが・・・。

囲碁2160.jpeg
白9、11で黒支えきれない形に見えますが、黒12で粘れると考えているようです。
白13のノビでAの切りを横目に、右上の黒が飲まれるように見えますが・・・。

囲碁2161.jpeg
黒14、16と右辺を厚くしていきます。
白17から23で右上の黒が大きく取られる格好に見えたが、黒24が好手でした。
黒の生還を横目に捨て石も視野に入れた面白い手で、白の応手が悩ましいです。

囲碁2162.jpeg
右上の黒が生き返ると右上の白が死に残りになるため、白25から29と取りにいきます。
部分的には取れていても外側の利きや味があり、相当手を入れることになりました。
白が手入れする間に黒32から36と次々に好点を占め、いつの間にか黒優勢となっています。
上辺は黒Aから荒らす手段があり、白地になりにくい土地なのがツライところ。
三々手法の対策の一つとして、研究する価値がありそうな手法でした。
結果、黒中押し勝ち。

囲碁2163.jpeg
【范蘊若六段(黒)vs趙奕斐初段】
黒1から5と高く構えるのは、白からの攻めを緩和するための工夫です。
白6はアルファ碁が打った珍しい手法の一つだが、現局面では不発に終わりました。

囲碁2164.jpeg
素直に黒7から13と厚くするのが好判断です。
右辺の模様と呼応して全局的に黒厚い碁形となっています。
白14は黒の勢力圏を牽制した意味はあるものの、黒15から17と走られて黒打ちやすい。
白18の切りも周囲が黒一色なため、黒19から21で黒有利な戦いとなっています。
結果、黒中押し勝ち。

「編集後記」
全体的には、星に三々へ入る手法が多く用いられていたように見えました。
しかし、ある程度研究が進んだのか、割と攻略されている対局がいくつもありました。
アルファ碁戦が終わって一カ月が経ち、徐々に棋士達も冷静になってきたようです。
posted by okao at 22:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 棋戦情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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