2017年06月19日

第3回夢百合杯世界オープン戦64強戦(1)

本日、第3回夢百合杯世界オープン戦の本戦が開幕しました。
日本は高尾紳路九段、河野臨九段、余正麒七段が出場し、高尾九段と河野九段が勝ち進んだ。
6月21日に行われる32強戦は高尾九段vs汪濤六段(中国)、河野九段vs戎毅五段(中国)です。

本棋戦の目玉は囲碁AIのDeepZenGoの参戦でしょう。
緒戦は序盤中盤で韓国の申旻埈五段を圧倒し、終盤に入る頃には大差となっていた。
序盤中盤力の高さは驚異的で、弱点とされている終盤まで持ち堪えるのは至難の業のようだ。
本局も囲碁AI特有の面白い手が出たので、次はどのような碁を見せるか楽しみです。

また、日本棋院が遂にZENを棋士強化に活用することを発表しました!(こちらを参照)
6月21日~12月31日まで幽玄の間で実施するので、一見する価値は大いにあるでしょう。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁2148.jpeg
【申旻埈五段(黒)vsDeepZenGo】
黒1に白2と黒3を交換した後、白4と打ったのが人間では考えつかない手でした。
AやBが考えられるが、右上一帯の黒陣が消えてしまうので強く反発したいところ。
こういった手を見ると、改めてZENのバランス感覚は独特だと感じますね。

囲碁2149.jpeg
黒5は封鎖を嫌いながら右上一帯の模様を広げる強手。
しかし、白6から8と柔軟にサバキを求めたのが筋の良い決め方でした。
黒はAやBと切るのは白の形が整ってしまうため、切りにくくなっています。

囲碁2150.jpeg
白に調子を与えないため、黒9から11と辛抱強く受けるのは仕方ないところ。
白12のサガリに黒13と切って、ZENがどうサバくのかが焦点となりました。

囲碁2151.jpeg
白14、16は石の調子で上辺の白を助け出す常套手段です。
ただ、黒17から25と上辺を固めながらAとBを見合いにされて白大変に見えます。
人間的な目線では、白の弱い石だけが残り黒に地を稼がれたように感じるからです。

囲碁2152.jpeg
白26と上辺の白から動くのは当然の態度。
一見すると、黒35まで上辺の地を稼ぎつつ中央の黒を補強して黒好調に見えますが、
Aの切りやBなどと黒を攻める狙いがあるため、一方的に黒が良い訳ではなさそうです。

囲碁2153.jpeg
黒35から39は気持ち良いシボリですが、中央の黒が大きくなり捨てにくい石となりました。
黒41、43は白に働きかけると同時に中央を補強する好手に見えたが、白44から46が激痛。
A~Cの狙いがあり、黒は白44の石を味良く取るのが難しくなっています。

囲碁2154.jpeg
上辺の味は非常に悪いため、黒47と受けるのは仕方ないところ。
しかし、白48から50が簡明な決め方でAとBを見合いにされて黒ツライ展開です。
黒はひどい悪手を打っていないにも関わらず、形勢は著しく悪化しています。

囲碁2155.jpeg
黒51で上辺は黒地となりましたが、▲と一度後退しているためそこまで大きくないです。
白52から58と全局的に白手厚い碁形となり、気づけば白優勢を築けています。
黒59と地に走りましたが、白60が厳しい手で中央の黒が相当危ない状況です。
その後も厚みを背景に手厚い収束を見せ、ZENの実力を世界に見せつけました。
結果、白中押し勝ち。

「編集後記」
ZENの対局があまりにも印象的だったので、つい書きすぎました。
他の64強戦の模様は明日の記事にまとめていきます。
posted by okao at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 棋戦情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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