2017年06月13日

アルファ碁自己対戦棋譜解析(13)

第13局はアルファ碁の巧みな技が光った一局と言えるでしょう。
囲碁AIはコウなどが絡む複雑な戦いを苦手としていたが、アルファ碁はコウの活用がうまい。
本局で紹介する戦いの呼吸は参考になると共に、コウ争いのコツを示しているように感じます。
さて、対局を振り返っていきます。

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【実戦図1:巧みな立ち回り】
黒1のカカリは意欲的な打ち方です。
右下の黒が治まった後に、黒Aと右下の白に働きかけながら右辺の黒陣拡大を狙っています。
白2は穏やかな手で、黒を攻めるというよりは下辺を割ることを重視しています。
黒7まで、無難な序盤戦となりましたが、次の一手から局面が大きく動きます。

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白8と右下の黒にプレッシャーをかけたのが面白い手でした。
一見、黒9から11に白12と攻めるのはAやBが残り、白やり過ぎに見えるが・・・。

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黒13に白14、16と白二子を捨て石に下辺を補強するのが柔軟です。
下辺の折衝でAの打ち込みとBのツメを緩和できたのが大きく、白うまく立ち回ってます。

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黒19、21は上辺の生きを促した後、右辺の模様を築く意図です。
しかし、白22と右辺に先着するのが機敏で、黒対応に悩まされることになります。
黒Aと上辺の白を厳しく攻めるのは、白Bと動き出されて黒の攻めが繋がりません。

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黒23の受けに白24と上辺を守り、白は着々とポイントを稼ぎます。
黒25は苦心の一手で、左上の対応次第で黒A、白B、黒Cと封鎖する手段見ています。
上辺の白を狙われているので、白も丁寧に対応する必要があります。

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白26と上辺を重視した受け方が安全です。
黒27にも白28、30と上辺を白地化すれば、弱い石がなくなり中盤以降力強く戦えます。
黒31と隅を生きられるのも小さくはないが、白32から34と手厚く打って白十分です。
後に白A、黒B、白Cと左上隅の黒を取り掛けにいく狙いがあるのが、白の自慢。

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【参考図1:攻めが繋がらない】
白1に黒2と上辺の白を攻めたくなりますが、白3で厳しい攻めが繋がりません。
黒4には白5とハネられて、黒陣が痛んでしまいます。

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黒6と強引に封鎖を目指すのはやり過ぎです。
白7、9で中央か右上の黒陣を突破されて黒収拾がつきません。

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蛇足ですが、黒10から12と根拠を奪いにいく変化を紹介します。
白13から19で突破できるため、左上の▲が逆に攻められる立場になり黒失敗です。

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【実戦図2:素晴らしいサバキ方】
黒1に白2と地を稼いだのが地に辛い厳しい手でした。
切り味を解消すると同時に、右上の△の助けにも働いているため見た目以上に大きい。
黒3と下辺をバラバラにされて白苦しく見えたが、白4以降のサバキが鮮やかでした。

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部分的には黒7から13と封鎖して、黒は下辺を制圧した格好になります。
しかし、白Aのコウ争いを横目に白14、16とコウ材を作りにいったのが面白い。
黒は右上一帯が弱い石になるのを避けるため、受けざるを得ないところだが・・・。

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白18から22は右上の黒陣を固める悪手だが、白Aのコウ材を作れれば白作戦成功です。
白24のコウ争いを戦える碁形となれば、大局的には白好調と言えるでしょう。

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黒25に白26、28と右上一帯の黒陣を突破して白勝勢です。
コウ争いをうまく活用し、局面を一気に制圧する力強さは凄まじいですね。
以前はコウや複雑な戦いを苦手としていただけに、弱点を克服したと見て良いでしょう。
結果、白中押し勝ち。

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【参考図2:勝ち目のない持久戦】
白1に黒2と受けるのは、白3とコウを抜き返されて黒にコウ材がありません。
黒4とツグ必要がありますが、白5と左辺一帯を白陣にされ、黒の勝ち目がないです。

「編集後記」
本局はアルファ碁の自己対戦50局の中でも楽しく見れる類の対局ではないでしょうか。
毎回、このような棋譜なら筆がサラサラ動くのですが、ほとんどは不可解な動きばかり。
一つ言えることは、理解ができない対局ばかりではないということですね。
posted by okao at 23:20| Comment(0) | TrackBack(0) | コンピューター囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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