2017年04月25日

中国甲級リーグ、初日

本日、中国甲級リーグが開幕しました。
初日から面白い変化や目新しい手法がたくさん現れており、どの碁も見応えある対局でした。
全ての対局を見た感じでは、碁の進化のスピードが以前の数倍以上早いように思えました。
囲碁AIの影響もあり、既に長い間打たれていた定石も大きく変わりつつあります。
時代に取り残されないためにも、世界戦の棋譜を見ることは重要になってきそうだ。
さて、対局を振り返っていきます。

囲碁1796.jpeg
【牛雨田七段(黒)vs李世乭九段】
数年前まで、白1は小林流に対して白良くないとされてきました。
黒8となった時、▲が良い位置にあり白ツライ展開を強いられると考えられたからです。
しかし、囲碁AIの新手法が出現してから、白良しという声が徐々に増えてきています。
※▲があるとなぜ良いか、こちらの記事を参照ください。

囲碁1797.jpeg
白9、11と▲を取り込むのが面白い手法です。
一見、△も腐らせながら外回りを厚くされて黒悪くなさそうに見えますが・・・。

囲碁1798.jpeg
黒12から18と外回りを厚くできましたが、白19から21と足早に展開されて黒イマイチ。
▲が厚みと近いため、右下の厚みを最大限に生かすのが難しくなっているからです。
右辺の黒陣もAやBと荒らす手が残っており、大きな黒地がつきにくい碁となっています。
小林流対策の代表的な戦術になる日も遠くないと思います。
結果、白中押し勝ち。

囲碁1799.jpeg
【金志錫九段(黒)vs羋昱廷九段】
白1に黒2、4と構えるのも囲碁AIが用いた手法の一つ。
白Aと構えるのは黒Bとカケられて黒悪くない進行となるため、白5と反発しました。
普通は左上の黒を強化する悪い手法ですが、上辺に白陣を築けば十分と見ているようです。

囲碁1800.jpeg
黒6から12と十分な形を許しても、白13と上辺を大きく広げて戦うのが面白い打ち方でした。
▲と△の交換を悪手にしたいという白の意図がひしひしと伝わってきますね。
黒Aの切りが気になりますが、白は柔軟に対応していきます。

囲碁1801.jpeg
黒14に白15から21と上辺を地にしたのが大きく、白打ちやすいようです。
黒22と構えれば、全局的に黒厚い局面に見えますが・・・。

囲碁1802.jpeg
白23、25と左辺の黒陣を消されては黒不満です。
黒26と白石を重くしようとしますが、白27から29とかわすのが好判断。
黒30で白二子を取られても、白31と黒の勢力圏で居直れば白成功と見て良いでしょう。
本局は囲碁AIの手法を悪手にする面白い戦術で、今後の研究課題となりそうです。
結果、白中押し勝ち。

囲碁1803.jpeg
【時越九段(黒)vs趙辰宇九段】
黒1に白2と反発したのは珍しい。
黒3で隅と右辺を両方打った格好になるため、黒悪くない展開に見えます。
しかし、▲の位置の都合上、白4から8と手厚く打っても白十分打てるようです。

囲碁1804.jpeg
黒9から13と地を稼がれても、白14から20と中央を厚くするのが気持ち良い。
右下は白Aなどの手があり、全てが黒地になっている訳でないのが黒の悩み所。
一方、白は膨大な勢力圏を中央に築けたので、中盤戦で力強く戦えます。
地の損失よりも白の発展性の方が勝るように見えます。
結果、白中押し勝ち。

「編集後記」
甲級リーグの碁はどの碁を見ても非常に面白いですね。
新しい試みもそうですが、石の張りがあり見ていて気持ち良いです。
明日以降の対局も注目していきたいと思います。
posted by okao at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 棋戦情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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