2017年04月19日

絶芸の敗戦から見えるもの

本日、13連勝中の絶芸を黄雲嵩五段が遂に止めました。
全く隙のないように見えた絶芸にも、苦手とする分野があるように感じました。
複雑な攻防や手数の長い変化を苦手とする囲碁AI共通の課題は残っているようです。
さて、対局を振り返っていきます。

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【実戦図:絶妙なバランス感覚】
黒番は黄雲嵩五段、白番は絶芸です。
黒1、3と上辺を占めるのに対し、白4と黒陣を制限するのが好感覚です。
上辺はAやBと荒らす手段が残っているので、発展性を削れば黒の借金だけ残る形となります。
序盤が始まったばかりですが、既に黒の打つ手が難しい局面となっています。

囲碁1759.jpeg
黒5は相手の力を利用して、右上の黒陣を固める意図があります。
ただ、白6が絶妙な様子見で黒の受け方を見てAやBを使い分けられるため、対応が悩ましい。

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黒9、11は整形の基本手筋。
白は隅の利きを横目に白12から18と中央を厚くして白十分な戦果です。
左上の黒陣が固まったのも大きいですが、中央の主導権を白に握られては黒ツライでしょう。

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黒19に白20と上から圧力を掛けるのが柔軟な発想でした。
左辺は全て地になるとは限らないので、左下の黒を固めた罪は重く見えますが・・・。

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白28、30を決めてから白32と左辺を固めるのが素晴らしいバランス感覚です。
△と▲の交換により下辺の価値を下がっているため、固めても惜しくないと判断したようだ。
囲碁AIが築く模様の特徴は「何れかが地になれば互角以上になる」ことです。
確かに、本局もどこかが地になれば白良しに見えます。

囲碁1763.jpeg
【参考図1:隅に手が残る】
黒2のノビは自然に見えるが、地に甘い手です。
白3、5を決めた後、白7から9と右辺から利かされて黒ツライです。
白Aとコウで粘る手段が残っており、右上の黒陣が凝り形となっています。

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【実戦図2:決定打を逃す】
黒1、3の出切りは勝負手。
しかし、白6で中央の黒二子を取れているため、白ツブレはありません。
黒は左下隅の白を取れるかどうかですが、無条件で取る手段はないため黒ツブレです。
※黒Aの切りは白Bで黒取られです。

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黒7、9のカケツギが必至の手筋。
黒13に白Aでコウになりますが、上辺や下辺にコウがあるため黒勝ちにはなりません。
しかし、この辺りから絶芸は少しずつ乱れていきます。

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白14から18の傍コウを全て決めてから、白20と本コウを争い出したのです。
これでコウ争いを勝てるなら問題ないですが、黒のコウ材もあるので難しくなりました。

囲碁1768.jpeg
【実戦図3:遂に逆転】
黒1とコウ立てしてから黒3と抜いた瞬間、白4と抜いたのが敗着となりました。
黒5で左下の白が全滅しては黒の得が大きすぎるため、白急転落下しています。
コウを譲るにしても、上辺と代われば白悪くなかったはずです。
絶芸が形勢判断を珍しく誤ったのかもしれませんね。
結果、黒中押し勝ち。

「編集後記」
絶芸の対局が気になって、今日も記事にしてしまいました。
動画作成急がないといけないのに、ついつい書きたくなってしまうのは悪い癖ですね。
posted by okao at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | コンピューター囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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