2017年03月27日

Masterの応用手法

今回は昨日始まった第3回夢百合杯世界オープン戦予選から取り上げます。
どの碁も見所ある対局ですが、その中でも面白いと感じた棋譜の一部を紹介します。

囲碁1643.jpeg
【実戦図:Masterを彷彿させる手法】
黒番は朴永訓九段、白番は於之瑩五段です。
白6まではよく打たれる定石の一つですが、ここで黒7と三々に入るのが驚きでした。
実は本局に関わらず、星に対して単に三々に入る実戦例が増えてきているのです。
一時前までは考えられなかった手法で、碁の打ち方が大きく変化していることがわかります。
(2つの記事を参照ください。参照記事1参照記事2

囲碁1644.jpeg
白8から16と厚みを築かれるが、黒17で厚みの働きを制限しつつ地を稼ぐことができます。
将来的に黒Aから左下の白を攻める狙いを残せたのも大きく、黒十分に見えます。

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白18に黒19とハサみ、下辺の黒が孤立しないように打ち進めるのが肝心です。
部分的に白22から26を利かされますが、白は大きくなりそうな土地がありません。

囲碁1646.jpeg
白28から32と右辺に展開しても、黒35の受け方が難しく黒打ちやすい碁形です。
右辺は黒Aが残っているため、右辺を囲う手は打ちにくくなっています。
かと言って、白Bと反発するのは黒Cと右下の白を分断して黒有利な戦いでしょう。
高いバランス感覚を要する戦術ですが、型にハマると安全に優勢を築くことができます。

囲碁1647.jpeg
【参考図1:厚みを攻める構想】
白1と押さえるのも考えられます。
この場合も黒2から6を決めてから黒8と足早に走るのが肝心です。
黒Aのハネツギを決めると左下を攻める狙いが消えるため、決めてはいけません。

囲碁1648.jpeg
白9には黒10、12と受けて、AとBを見合いにするのが面白い。
左上は見た目以上に弾力ある形なので、白13に黒14と逃げれば中々捕まりません。

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白15と右辺の黒陣を割って先の長い碁に見えますが、黒16の打ち込みが激痛。
▲が白の攻めに働いており、白は強く反発できず、黒有利な戦いになります。
自然な石の流れで有利な戦いに持ち込めるのがこの戦術の強みです。
(白15では左辺を補強するくらいだが、黒Aと構えて黒十分です。)

「編集後記」
Masterの60局で碁の打ち方が大きく変化してきました。
現在は違和感を覚えるとは思いますが、いずれ常識となっていくことでしょう。
自分の場合は抵抗感なく受け入れられたので、囲碁AIの呼吸が肌に合ってるのかもしれません。
posted by okao at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 最新形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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