2017年03月13日

第16期中国西南王戦決勝

先日、第16期中国西南王戦の決勝が行われました。
18歳の楊鼎新五段が檀嘯七段に勝利し、本棋戦で2連覇を果たしました。
楊鼎新五段は中盤で力を発揮し、次々に強豪を破っていくのが印象に残りました。
まだ18歳と若いので、今後の活躍に期待が膨らみますね。
持時間は一手30秒、1分の考慮時間10回の早碁です。
さて、対局を振り返っていきます。

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【実戦図1:定型化された攻防】
黒番は楊鼎新五段、白番は檀嘯七段です。
黒1に白2と打ち込むのが最近の打ち方でよく打たれる形の一つ。
右下の白は高く構えているので、急な攻めがないことを利用した手法です。
数年前は白4、6で白良しと言われたが、その後の攻防が難解で結論は出ていません。

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周囲は黒一色なので、黒7から11と反発したいところ。
黒の勢力圏ということもあり、白AやBと遠目からサバくのが無難に見えます。
ただ、右上の白を飲まれる損失は小さくないため、局地戦でサバくことが増えています。

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白12と利かし、直接サバキ形を作ろうとするのが最近の打ち方です。
白14に黒Aと無難に受けず、黒15と反発して白に強く働きかける打ち方を選択します。
一見すると、白は収拾のつかない格好に見えますが・・・。

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白16から18と黒陣を突破できたので、一定の戦果を上げています。
しかし、黒21と右上の白を味よく取られたのも大きく、善悪の判断は難しい。
個人的には黒の実利が大きいように思えるので、黒良しのワカレだと思います。

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【参考図1:サバキの在り方】
白1に黒2と受けるのが無難です。
ただし、白AとBの締め付けが利く形となるため、白5でサバキ形となります。

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黒6には白7と受けるのが安全策です。
白9まで、AとBが見合いなので黒は強く反発することができません。

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【参考図2:白やり過ぎ】
黒1に白2から6と強く反発する手段が考えられます。
続いて、黒Aは白Bと手を戻されて黒ツブレになりますが・・・。

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黒7のツケが決め手となります。
白Aは黒Bで全ての白が取られてしまうので、白Cと出ていきます。

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白8に黒9、11のシボリを決めた後、黒13と押さえ込むのが好手です。
白は団子石を助けるために白Aと切らざるを得ませんが・・・。

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白14の両アタリに黒15、17と先手で連絡した後、黒19と守れば黒の実利が大きいです。
白の得たものはないので、黒大成功の図と見て良いでしょう。

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【実戦図2:切れ味ある打ち回し】
黒1に白2と反発したのが失着でした。
黒3、5を決めた後、黒7とマゲるのが手厚い好手で白困っています。
例えば、白Aは黒Bのノゾキがあるため、右辺の守り方が難しいのです。

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白8と脱出して活路を見出しますが、黒9から11と荒らされるのが大きすぎます。
元々、白は地合いが少し悪かったため、右辺の攻防で差が広がりました。

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白12、14と黒に地を与えないように打ち進めますが、白は連絡を断たれた格好となります。
黒17まで、黒Aなどが狙える碁形となったので、黒優勢は揺るがないようです。
早碁とは言え、世界トップの棋士を次々に倒す楊鼎新五段の瞬発力は驚異的です。
近い将来、大きな世界戦で一定の成績を残す棋士となるでしょう。

「編集後記」
こうした簡単な棋譜解析は、どこまで需要があるのか正直わかりません。
もし、多くの需要があるのであれば、定期的に動画を上げる案の一つとして考慮する予定。
posted by okao at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 棋戦情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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