2017年03月01日

囲碁AIから学ぶ打ち方(5)

Masterが得意な肩ツキは応用しやすい手なので、多くの方が有効に扱うことに成功してます。
今回は囲碁AIが打った手の中でも、目新しい戦術を用いた対局を紹介していきます。
碁の在り方が変わる可能性のある打ち方なので、ぜひご覧ください。

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【テーマ図:衝撃の四間ビラキ】
黒番が絶芸、白番が朴廷桓九段です。
黒7までは実戦例の多い進行ですが、白8と大きくヒラいたのが珍しい手法。
Masterの新戦術でどういった意図があるか、未だに解明されてない形の一つです。
ただ、日本の囲碁AIであるZENも同じ形を打つことがあり、何かしらの理屈はある模様。
右辺はスカスカに見えるが、隙だらけの形をあえて囲碁AIは選んでいるように思えるのです。

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黒9と右辺の白陣を裂かれて、白苦しい戦いを強いられると考えられてました。
しかし、白10と柔軟に対応するのが面白い手法で、人間にも扱える体系化が見えてきました。
一見すると、黒Aの隙を自ら作った格好で白悪いようだが・・・。

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黒11がきた瞬間、白12から16とサバくのが白の意図する進行です。
右辺の黒は重くなっているので、簡単には捨てられない石になっているのがポイント。
ただ、はっきりしたコウ材がある訳でないため、先を想定しにくい難しいコウ争いです。

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黒17に白18をコウ材に使うのは勇気のいる選択です。
右下隅の薄い構えを固めてしまうため、将来的に悪手と化す可能性が高いからです。
白20に黒21のツケをコウ材にするのも斬新で、双方一歩も引きません。
白22のアテでコウ争いの重荷がさらに増していきます。

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白24に黒25とコウを解消したので、白24から28と右下隅の黒を削ることに成功します。
ただし、黒29と右上一帯の白を制されたのも大きく、このワカレは互角に近いでしょう。

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白30、32と右下隅を制して一段落です。
黒33に回られても、白36と右下の黒を攻めれば白十分と判断してます。
確かに△が右下の勢力圏拡大に役立っており、白石の方が全局的に働いているように見えます。

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【参考図1:別の対応策】
白1に黒2のツケが考えられる対抗策です。
ここでは白Aのワリ込みを検証していきます。

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白3のワリ込みに黒4から8が簡明策です。
白Aが気になるところだが、白も損をする可能性があり、すぐには仕掛けにくいところ。
黒10に先着できれば黒足早な展開に見えるが、白の格好は厚いため右下の構えが薄くなります。
双方、長所短所があるため、甲乙つけ難いです。

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【参考図2:高い打ち込み】
黒1と高く打ち込むことで競り合いに強く戦えると同時に、前図の手段を消す意図があります。
しかし、白2から4と単独で形を得る変化を選択されて、黒困っているように見えます。

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黒5には白6、8と右上を補強してから白10と地を稼ぎます。
右辺の白は軽い石なので、黒も取りにいくのは得策に見えません。
また、白Aの狙いもあり、右下の黒陣はまだ地ではなく白優勢だと思います。

「編集後記」
相手の打ち込みを誘い、相手の石をうまく利用して局面をコントロールする手法が有力です。
ただ、先の見えない展開になりやすいため、相当な読みと明るい判断が求められます。
面白い打ち方ですが、ある程度体系化されないと万人には広がらないかもしれません。
posted by okao at 23:59| Comment(2) | TrackBack(0) | 布石 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この転がし方、山部俊郎九段を思い出しました。
Posted by 通りすがり at 2017年03月02日 01:22
過去に似たような発想で打たれた碁はいくつかあるようです。
こうした打ち方を探すヒントは昔の碁を調べることにあるかもしれ
ません。
「温故知新」とはよく言ったものですね。
Posted by okao at 2017年03月02日 08:30
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