2017年02月22日

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦、第11戦目

本日、第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦の第11戦目が行われました。
序盤から中盤は双方相手に決め手を与えないよう、ギリギリの距離感を保つ進行となった。
終盤で朴廷桓九段は勝負手を打つ機会はあったが、勝負せずに足りると判断したのが仇となる。
その後も懸命に追い上げるも、僅かに届かず韓国は無念の敗退を喫した。
中国は2番手の范蘊若五段を含む、4人を残した状況で本棋戦4連覇を果たしました。
さて、対局を振り返っていきます。

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【実戦図1:掴み所のない序盤戦】
黒番が朴廷桓九段、白番は范蘊若五段です。
ここ数年、白1と下辺の黒陣を消すのが主流となっています。
黒2を利かし、黒4から8と右下を確定地にするのが定型化された手順です。
善悪の判断が分かれるワカレですが、個人的には白悪くないように思えます。
なぜなら黒地はこれ以上増えにくいですが、白陣は大きくなる可能性が高いからです。

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黒10は見た目以上に大きい好点で、序盤であっても先着したいところ。
黒12から16と相手の力を利用してサバくのは常套手段の一つ。
白17に黒Aと応じるのがよく用いられる手だが、実戦は黒18を選択します。

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白19と封鎖されるのが痛いため、部分的には黒良くないと言われています。
しかし、現局面では黒20が左辺の守りと左下の白陣を制限する働きを持たせることができます。
次に左下を動き出されると、左下一帯の白が薄くなるので白21と備えるのは当然の一手。
白23まで、激しい戦いが起こりにくい穏やかな碁形となりました。

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【参考図1:数手で戦況悪化】
黒1に白2、4と手厚く応じるのも考えられる進行ですが、黒5に回られると白イマイチです。
白Aと受けるのは利かされないので・・・。

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白6、8の出切りから強く反発したい。
ただし、黒9から13と左辺の黒を強化してしまうため、左下の厚さが活かしにくくなります。
黒AやBが残っていることもあり、白作戦負けでしょう。

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【実戦図2:激しい石の競り合い】
白2は左辺の黒を睨みつつ、自身の補強を目指す常套手段です。
しかし、黒3から5の二段バネが強烈な反発で、難しい戦いに発展していきます。

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白6と傷をつけてから白8と手を戻すのが手堅い選択です。
白8で13と打つのも考えられたが、上辺の黒を攻め損なうと白の損失が大きいため怖い展開だ。

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白14、16に黒17のケイマが強手でした。
相手の力を利用して、自身の薄みを補おうとする積極的な打ち方です。
白は必要以上に黒を強くしたくないですが、丸飲みされるのも怖いので打つ手が悩ましい。

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実戦は白18、20と安全に脱出していきます。
黒21、23はAの断点を強調しながら上辺の黒を固める狙いがあります。
単に白Aと守るのは明らかに利かされなので、白24のツケから断点を守る調子を求めます。

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黒は右辺を補強できれば良いので、黒25から33と簡明に形を作っていきます。
白34まで、黒は上辺と右辺に十分な形を築けましたが、隅を食い破られたのは大きく善悪不明。
これだけ激しく石がぶつかっても、互角に近い形勢でヨセ勝負となっているのは不思議ですね。

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【実戦図3:最後の敗因】
黒1のオサエは大きなヨセですが、黒Aとハネてコウを仕掛けるべきだったようです。
白4と受けられて僅かに白残っている形勢となりました。
結果、白1目半勝ち。

「編集後記」
今期の農心杯は中国の層の厚さを世界に示した結果となりました。
本棋戦は韓国がスポンサーなので、今回の結果を見てスポンサーが離れないか不安です。
韓国は勝てないと撤退する傾向があり、韓国囲碁界は手合い自体が激減しているそうです。
posted by okao at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 棋戦情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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