2017年02月21日

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦、第10戦目

本日、第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦の第10戦目が行われました。
序盤から中盤にかけて朴廷桓九段の中央志向の打ち回しが光り、優勢を築きます。
井山裕太九段は様々な戦術を展開するも、冷静に受け切られて投了となった。
最終ラウンド初日で日本は姿を消す結果となったが、次回以降の活躍に期待します。
さて、本局を振り返っていきます。

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【実戦図1:中央志向の挑戦】
黒番が井山裕太九段、白番は朴廷桓九段です。
白1は右辺の白陣拡大を睨みながら左上一帯の黒模様を消す意図があります。
黒2から12と稼がれて白アマイように見えますが、白13とさらに中央を占めていきます。
上辺の価値を下げる効果と白Aの攻防から生じるシチョウ関係を睨んだ手のようです。

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黒14と右辺の模様を消すのは必須。
白15の受けを見て黒16、18と戦いを仕掛けたが、やり過ぎだったようです。
黒Aと脱出して長期戦を目指すか、黒Bと力強くサバキにいく方が良かったかもしれません。

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白19のノビが良い受けでした。
黒20から26で右辺の模様を消しても、白27から29と中央を厚くされては黒不満なワカレです。
白に中央を厚くされると左辺の構えが隙だらけとなり、全局的に黒薄い碁形になるからです。

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黒30に白31と封鎖するのが手厚い。
黒32から38で右辺の黒をアッサリ活かしましたが、白39に回れば白十分です。
白は相手の力をうまく利用し、実利と厚みの両方を取りながら打ち進めることに成功してます。

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【参考図1:軽快なサバキ】
黒1とサバキにいく選択はあったかもしれません。
白2、4と反発するのは黒5のツケでAとBを見合いにできます。

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【参考図2:積極的に働きかける】
黒1に白2とハネるのは一番いけない受け方です。
黒3の切り違いでほぼサバキ形になります。

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白4と黒一子を取るなら黒5、7を利かしてから黒9と整形します。
後に黒Aとツグ狙いもあり、黒満足な進行です。

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【実戦図2:明るい形勢判断】
白1に黒2、4と上から圧力をかけて、中央の白模様を自然に消すことを目指します。
白は難しい局面を向えたように見えますが、明るい形勢判断で簡明に優勢を築いていきます。

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白5の様子見が絶妙でした。
黒6と応じるなら、白7から11と中央を厚くする手が打ちやすくなっています。
白AやBが残っているので、左上の黒陣の全てが地になっている訳でないからです。

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黒12にも白13、15を決めてから白17とノビたのが朴廷桓九段らしい冷静な石運びです。
左辺の味が悪いため、黒18の手入れは必要ですが、白Aの味を消せてないのが黒の泣き所。
白19と下辺一帯に模様を築いて、白優勢は揺るがないようです。
結果、白中押し勝ち。

「編集後記」
本局は朴廷桓九段の持ち味が十二分に発揮された好局だったと思います。
また、序盤から中央を占める打ち回しは、新しい碁の打ち方を提示したようにも思えました。
次局はどんな碁を見してくれるのか、楽しみです。
posted by okao at 23:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 棋戦情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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