2016年09月30日

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦 第4戦目

第1ラウンド最終戦である第4戦目。
日本は張栩九段を出陣させるも、范廷鈺九段の分厚い壁に阻まれる結果となりました。
これで中国は無傷の3連勝で第2ラウンドに駒を進めます。
現在の戦況は以下の通りになっています。
中国:柯潔九段、柁嘉熹九段、范廷鈺九段、連笑七段、范蘊若五段
韓国:朴廷桓九段、姜東潤九段、金志錫九段
日本:井山裕太九段、河野臨九段、村川大介八段


日本が厳しい立ち位置となりましたが、第2ラウンドでの巻き返しを期待します。
では本日の対局を振り返っていきましょう。

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【実戦図1:面白いタイミングの利かし】
白1で苦しいと思われた上辺の黒一団でしたが、黒2のノゾキが好手でした。
白はAかBの二択だが、黒は相手に合わせて整形できるのが自慢です。
張栩九段らしい切れ味鋭い様子見でした。

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2016年09月29日

アルファ碁同士の棋譜研究-第一局(3)

コンピューターは序盤で悪くなる変化を避ける力が非常に高いです。
今回も珍しいように感じる打ち方ですが、相手の意図を外す優秀な戦術でした。

囲碁117.jpeg
【第4譜(20―26):狭いところを急ぐ】
人間視点からすると右辺が広いように見えますが、白20と狭い方を急ぎました。
黒21と右辺を広げながら、白を攻める口実を与えているように見えます。
しかし、白26と治まった時、黒は右辺をまとめるのが見た目以上に難しいです。
白は自ら動くのではなく、相手の態度を見て打ち方を決めようという高等技術だったのです。

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第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦 第3戦目

今日は韓国の新鋭である李東勲八段が中国の范廷鈺九段に挑みました。
しかし、プレッシャーなのか李東勲は本来の力を発揮できずに敗退。
韓国は第1ラウンドで一勝も上げられず、第2ラウンドに進むことになりました。
第4戦目は日本の張栩九段が出陣します。
中国の勢いを止めて第1ラウンドの幕引きをしたいところです。
さて、本日の対局を振り返ります。

囲碁112.jpeg
【実戦図1:黒疑問の布石戦】
黒番は李東勲八段、白番は范廷鈺九段です。
黒1から9は定石の一つではあるが、白10に回られて白打ちやすいように感じます。
白への寄り付きが期待できないため、黒は明瞭な打ち方がありません。
左下の△の活用も難しく、黒作戦負けな気がします。

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2016年09月28日

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦 第2戦目

2戦目は日本の一力遼七段vs中国の范廷鈺九段です。
今日勝利できればかなりのアドバンテージを稼ぐことができましたが、
中国の壁が厚く、無念の敗退となりました。
しかし、李世乭九段を破った戦果は大きく、十分な働きを見せてくれました。
国内戦では天元の挑戦手合が控えているのでぜひ頑張ってほしいですね。
では、本日の対局を振り返っていきます。

囲碁099.jpeg
【実戦図1:珍しい手法】
黒番は一力遼七段、白番は范廷鈺九段。
白1から5まではよくある進行だが、黒6に白7とスベったのが珍しい変化。
普通は白Aなどと守りますが、打たれてみるとこれもありそうですね。
なぜなら、右下の白は見た目以上に粘りの利く形なので、しばらく放置してもサバけるからです。

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アルファ碁同士の棋譜研究-第一局(2)

前回の続きを見ていきます。
黒番では足早な展開を好むアルファ碁が何を選択しどう考えたかを検証していきます。

囲碁097.jpeg
【第3譜(17-19):上辺を割るのが好点】
黒17、19と上辺を割るのが大切です。
黒17では右下一帯に黒模様を築くように打つのが無難に見えるかもしれませんが、
先の展開を想定すると中々うまくいかないことがわかりました。

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2016年09月27日

第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦 第1戦目

今日から「第18回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦」が始まりました。
各国の団体戦メンバーの一覧を紹介します。
日本:井山裕太九段、張栩九段、河野臨九段、村川大介八段、一力遼七段
中国:柯潔九段、柁嘉熹九段、范廷鈺九段、連笑七段、范蘊若五段
韓国:朴廷桓九段、李世乭九段、姜東潤九段、金志錫九段、李東勲八段

前回よりも中国韓国の層が厚くなっており、日本がどこまで食いつけるかが注目です。

初戦は一力遼七段vs李世乭九段となりました。
勝つのは厳しいと思われた一戦でしたが、下馬評を覆して一力七段が半目勝ちしました!
世界も一力七段を見る目ががらりと変わったはずです。
明日の二戦目はなんと范廷鈺九段が出場します。
世界戦優勝経験者の好カードをここで切るあたり、本気で日本の勢いを潰す気でしょう。
しかし、前回開幕三連勝をした実績のある一力七段ならきっと乗り切ってくれるはずです。
では、本日の対局を振り返っていきます。

囲碁081.jpeg
【実戦図1:アルファ碁戦の再現】
黒が李世乭九段、白が一力遼七段です。
白1のマゲに黒2とカドに迫ったのは厳しい発想です。
右下の白を厳しく攻めながら、右上の白を睨んでいこうという作戦です。
しかし、この形はアルファ碁vs李世乭戦で出現した形で、研究され尽くしたものでした。

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2016年09月26日

アルファ碁同士の棋譜研究-第一局(1)

今日からアルファ碁同士の棋譜を少しずつ研究していきます。
まずは、棋譜解説していく前にアルファ碁の基礎知識をまとめます。

アルファ碁はディープラーニングという手法を用いています。
大雑把に言うと自己学習できる術を手にいれたということです。
ただし、この方式は手を深く読む技術ではなく、経験則に基づいて手を選択するに限ります。
そして、コンピューター囲碁の特徴の大部分は以下の3つになります。

・序盤、中盤の大局観がずば抜けている(ディープラーニングを採用したことにより)
・一本道に近い読み程、弱い側面を持ち合わせている。
・極端に形勢が良いと判断するとぬるい手を打つことがある。


読みの力はそれほど高くないはずなのに、打ち進めると気づいたときには優勢を築かれています。
やはり、コンピューター視点の碁の見方は人間とは異なるものなんでしょう。
さて、今日は一局目の序盤を見ていきます。

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【第1譜(1-7):黒番は中国流を採用】
アルファ碁が黒番を持つとカカリ一本を決めた中国流を採用するようです。
コミが利いてくるので、スピード重視で局面を展開しなければならないということでしょうね。
実際、プロ棋戦でも白番の勝率が若干高くなっているように感じます。

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2016年09月25日

2016ジャステック杯国際新鋭囲碁対抗戦3日目

最終日は2位から4位の順位に大きな影響を与える大事な一戦となりました。
日本は中国に4-4で引き分け、全勝優勝を阻止しました!
世界に日本の実力を示した結果になったかと思います。
順位と成績は以下の通りです。
1位:中国(2勝0敗1分)-勝ち星7、全体成績17勝7敗
2位:韓国(1勝1敗1分)-勝ち星4、全体成績12勝12敗
3位:日本(0勝0敗3分)-勝ち星3、全体成績12勝12敗
4位:台湾(0勝2敗1分)-勝ち星1、全体成績7勝17敗


世界の新鋭棋士とも互角に渡り合えた成果は大きいと思います。
日本も少しずつ存在感を示せてきています。
では、最終日の対局を振り返っていきましょう。

囲碁069.jpeg
【童夢成五段(黒)vs余正麒七段】
白1と思い切って中央に模様を築いたのは良い構想でした。
気分は良いですが、黒から様々な戦術で模様の決壊を狙ってくるため、
高い読みの力と形勢判断能力が要求されます。
しかし、余さんにとってこういった力勝負は望むところでしょう。
結果、白中押し勝ち。

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2016年09月24日

2016ジャステック杯国際新鋭囲碁対抗戦2日目

大会二日目、中華台北戦で日本が勝てば優勝の目が出る大事な一戦でしたが、
4-4でまたも引き分けで勝ち点1となりました。
現段階での各国の勝ち点をまとめると以下にようになります。
中国(2勝0敗0分)-勝ち点6
日本(0勝0敗2分)-勝ち点2
韓国(0勝1敗1分)-勝ち点1
台湾(0勝1敗1分)-勝ち点1


中国は仮に日本戦で負けても1点差をリードできるため、三日目を待たずに優勝が決定しました!
中国の若手層は非常に優秀だということを証明した形となりましたね。
日本は中国に勝てば2位が確定し、引き分け以下は韓国vs台湾戦の結果を待つことになります。
では、本日の日本戦を振り返っていきましょう。

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【芝野虎丸二段(黒)vs楊博崴五段】
芝野さんは黒1のシマリを時々用いるように感じます。
ある手だと思いますが、あまり見ないので目新しく見えますね。
白2には黒3のカカリを決めて、右下の定石の変化に備えています。
(シチョウの攻防になった時にカカリ一本が活きてきます。)
結果、黒中押し勝ち。

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2016年09月23日

2016ジャステック杯国際新鋭囲碁対抗戦1日目

「2016ジャステック杯国際新鋭囲碁対抗戦」が今日から始まりました。
日本、韓国、中国、中華台北の4カ国でリーグ戦を行います。
1チーム8人で5勝以上が3点、4勝は1点、3勝以下は0点という勝ち点方式。
持ち時間は2時間、1分の秒読み5回です。

初日の日本vs韓国戦ですが・・・
4-4で引き分けとなりました!
ここ数年では考えられなかった成績で快調な出だしです。

明日の中華台北戦を勝利して最終戦の中国戦に臨みを繋げたいところです。
さて、今日の日本戦を振り返ります。

囲碁053.jpeg
【余正麒七段(黒)vs宋知勲二段】
黒1のツケが面白い手でした。
これは黒Aの抜きに白が受けた時、黒Bとコウで弾いて戦うことを見越したコウ材作りです。
善悪はわかりませんが、右上の定石を研究する上で参考になる対局でした。
結果、黒中押し勝ち。

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2016年09月22日

考えづらかったサガリの抵抗(2)

前回の続きから検証していきます。
黒は受けてばかりでは良くならないことがわかったので、
今回は強く反発して、激しく戦う変化を解説していきます。
いろいろ考えたんですが、どうも今回の白の新手はうまくいかない気がします。

囲碁040.jpeg
【ハネの反発】
黒4のハネで打った場合を検証していきます。
これはAの切りを守りながら右辺を広げる頑張った手です。
白5の切りがうまくいかないと白良くありません。
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2016年09月21日

第41期名人戦七番勝負第3局二日目

第41期名人戦七番勝負第3局は高尾九段の勝利となりました。
碁の内容も良いので、このまま0-4で名人を奪取するかもしれませんね。
一局通して危ないと思われる局面がほとんどなく、高尾九段の完勝に近いものでした。

仮に井山名人が四局目を勝利したとしても、
天元、王座、名人のタイトル戦を同時に戦わざるをえない状況です。
もしかすると3つとも失冠もあるかもしれません。
さて、第三局の流れをざっくり見ていきましょう。

囲碁032.jpeg
白1のカカリに黒2のハサミは当然です。
白3を利かした後、白5と打ち込んだのが井山名人らしい厳しい着想でした。
普通は真正面から戦うのは黒石が多いため、白難しいとみるところですが、
こういった打ち方もあるのかと考えさせられました。
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2016年09月20日

第41期名人戦七番勝負第3局初日

第41期名人戦七番勝負は高尾九段が2連勝する戦況となっています。
今回も井山名人が防衛するだろうと思っていたのでビックリしました。
碁の内容も非常に良く、高尾九段の充実ぶりがわかります。

囲碁016.jpeg
【封じ手の局面】
黒のツケで封じ手となりました。
正直、白の応手が難しく黒がサバけているように見えます。
どんなサバキが用意されているか解説していきます。
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2016年09月19日

考えづらかったサガリの抵抗(1)

プロ棋戦でも時々出てくるようになった変化を紹介します。
従来は考えにくい変化でしたが、ネット碁ではかなり実戦例がありました。
今回は数回に分けて検証していきます。

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【考えづらかったサガリ】
普通は黒1には素直に遮るくらいです。
しかし、外周の味を残すために白2とサガる変化を打たれるようになりました。
白の眼形も薄くなっていそうですが、意外と難しくなります。
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動画「中国流の打ち方(基本編)」が完成しました!

今回はアルファ碁も採用した中国流の形を紹介しました。
近年、プロアマ問わず打たれている人気布石で非常に有力です。
流行布石の基礎を固めたい方には非常に参考になるかと思うので、ぜひご覧ください。
動画観賞はこちらです。

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この形が動画で紹介する中国流です。
個人的にはカカリ一本を決めたものが有力かと思っています。
基本編なので難しい変化をなるべく避けるように紹介していますが、
実際は難解な攻防になることもあり、読みの力が必要になります。
ただ、そういった変化はブログで少しずつ紹介していこうかと思っているので、
動画と合わせて見て頂ければ中国流の理解が深まるはずです。

囲碁214.jpeg
動画の終わりにアルファ碁vsイセドル戦で出現した中国流も軽く紹介しました。
正直、この変化はまだまだ研究最終で良いかどうか私の中で結論は出ていません。
動画では大まかな意図と打ち方を解説しているので参考にしてみてください。

ブログの方でも中国流の打ち方の記事を少しずつ載せていこうかと思うので、
これからもよろしくお願いします(´・ω・`)b
posted by okao at 12:48| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする